2019年の9月に中国政府奨学金生として、上海華東師範大学での留学が始まりました。日本の大学で中国語を第二言語として選択したことがきっかけで中国に興味を持ち、社会人経験を経て現地留学をしました。
留学当初は「你好」や「谢谢」など簡単な単語しか話せず、クラスも初級レベルからのスタートでした。戸惑いも多い中、現地での生活は毎日が新しいことの発見で、自分の目で中国・上海を感じることが出来ました。現地での留学は、私の中国語能力向上にとても役立ってくれました。留学から3か月でHSK5級取得、中国語での会話も少しずつ上達していきました。留学前半が終了し、残りの留学生活では、前半での経験を生かしてより充実した留学生活を送ろうと決意した時でした。冬休みで日本に一時帰国中に、新型コロナウィルスによる学校閉鎖、中国へ戻れる目途が途絶えました。当時は、すぐに学校に戻れると、深刻には考えていませんでした。しかし、新学期はオンライン授業で1か月遅れで再開との知らせが届き、現地留学を強く望んでいた私は休学を決めました。休学を決めてからの日々は、毎日が不安でした。私の中国留学は、現地で過ごすことに大きな意味があると考えていたので、先が見えない日々はモチベーションを保つことさえも困難でした。世界中がパンデミックの中、2020年9月当時はまだ大学から学校に戻る許可が下りておらず、再度休学を予定していたのですが、大学側の決定で休学延期はできず、日本でのオンライン授業での復学が決まりました。不安も多かった中、クラスの先生は、私たち生徒が教室での授業と変わらない学習が出来るよう授業内容を準備してくれていました。自宅で参加できるという手軽さに比べ、Wi-fi環境の問題や雑音、クラスメイトとの交流が少ないなど問題も多くありましたが、毎日クラスメイトと共に中国語を学べる環境に有難さも改めて感じました。
オンライン留学も2021年12月に終了し、私の中国政府奨学金生として中国留学はここで一旦終了となります。全てが思い描いていた留学生活とはいきませんでしたが、中国留学のきっかけをくれた日中友好協会の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。書類選考の際に提出した小論文に、「異文化理解への手段として現地で学ぶ言葉はとても重要な役割を持つ。特に、友好関係を築こうとする際、言語習得は有効な手段となるだろう。」と書いていたことを、実際に現地留学をしてみて強く実感しました。実際に多くの中国人の方々に助けられた留学でした。その反面、いまだ世論操作などによって中国に対するマイナスなイメージを持つ日本人の多さに驚くときがあります。「百聞は一見に如かず」この言葉のように、より多くの日本人に中国留学へのきっかけを提供できるような発信も今後していけたらと思っています。中国政府奨学金生として留学は終了しましたが、現在も上海華東師範大学でビジネス中国語を学んでいます。中国語でビジネス、マーケテイングを学ぶのはとても体力、気力が必要で、ついていくことに精一杯な毎日ですが、これからも学び続ける姿勢を忘れず中国語に関わっていけたらと思っています。