私は中国に長期間住んでいたことがなく、詳しくない。代わりに、中国を感じられる場所・神戸を紹介する。
大学3年生の時に「地域秩序論」という授業を受け、中国系移民が多い神戸に興味を持った。神戸は異国情緒が溢れる奥深い街であるが、その中で特に中国に関係する南京町、関帝廟、神戸華僑歴史博物館、海底捞を紹介する。
観光スポットとして知られる南京町は、屋台・中国物産を扱う店がずらりと並び、多くの観光客で賑わっていた。南京町の入り口には長安門や西安門といった牌楼がある。牌楼を一歩くぐると世界は一瞬にして中国変わる。恒例イベントとして「中秋祭」や「春節祭」が開催され、中国獅子舞が披露される。多くの人々が躍動感溢れる獅子に圧倒される。
関帝廟は、三国志の武将・関羽を祀った華和折衷の霊廟であり、主神・関帝君主、大慈悲観世音菩薩(世観音)、天后聖母(媽祖)が祀られている。色鮮やかで煌びやかな外観を見ると台湾のお寺(数回行ったことがある)を思い出した。本殿内に入り、柱の説明を見ながら、拝礼台にひざまづき、合掌して3礼、お祈りをし再度1礼した。初めて、中国式の参拝をしたがとても不思議な感覚だった。
華僑歴史博物館はビルの中にあり、中はオフィスの一部屋といった感じだったが、そのこじんまりとした小さな空間に神戸華僑の歴史がたくさん詰まっていた。その中で華僑の子どもたちが通う神戸中華同文学校の教科書が展示されていた。こんな幼い子どもたちが日本で中国語の授業を受けている。日本の大学で中国語を学ぶ私にとって、中国語は単なる外国語でしかないが、彼らにとっては親族が話す言葉で、中国語に対する思いや学ぶ姿勢は私とは異なるのだろう。
また、神戸には本格的な火鍋が味わえる海底捞がある。神戸店は外観内装が豪華でそれだけでワクワクする。店員はほとんど中国人、客も中国人が多い。つけダレや果物、サラダは無料。名物とも言えるカンフー麺は、毎回行く度に誰かが注文するほど人気である。名前通り店員が、それっぽい音楽とともに麺を自由自在に操る様はまさに見ものだ。
神戸は異国情緒が溢れている街で中国由来のものもたくさんある。私は授業で華僑について学び、神戸及び垣間見える華僑文化に対する見かた・考え方が変わったが、知らずに行っても十分楽しめる場所である。ぜひ、一度訪れてみてほしい。