「新たな発見」石橋 肇子(北京師範大学)

明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2025年が始まりました。中国では春節だけで、クリスマスやお正月は特に祝わないのかと思っていましたが、クリスマスには学食にクリスマスメニューが登場したり、現地学生も新年快乐と挨拶を交わしたりしていて、年末特有の楽しい雰囲気を味わえました。

 

今回は12月に中国で新たに得た発見について書きたいと思います。12月は部活の試合や期末考査といった今学期の集大成ともいえる行事が多くありました。試験2週間前のある日の夜に学内の体育館に行ったところ、観客席で多くの学生が勉強していました。写真のように、室内でバレーボールやバドミントンをしている学生の周りには、観客席で勉強する学生が多く見られます。最初は気分転換にスポーツ観戦しながら試験勉強しているのかと思ったのですが、現地の友人に聞いたところ、これは、体育館やグラウンドの利用回数を一定以上にするという学校の規定を満たすための行動なのだと分かりました。この規定では、1学期間に30回以上(1回30分以上90分以下)、運動施設を利用する必要があります。私が所属する部活動でも、学生が練習開始から一定時間経つと顔認証をしにゲートまで向かう姿をよく見ます。

 

他にも、歩数やボランティア活動に対する規定もあるようで、グラウンドで勉強したりスマホをしながらウォーキングする学生を多数見かけますが、これも決して全員が自主的に運動しているわけではなかったようですね。また、学生のグループチャットには必須科目やボランティアの代行依頼ができるサイトの宣伝も頻繁に流れています。

学校側の学生に対する様々な要求に対して、最低限の条件をクリアするように行動する多くの学生を見ていると、既に大人である大学生に干渉する意味を考えさせられます。日本では、大学が学生の生活習慣にまで規定を与えることはないですし、大学生にもなって学校に色々と干渉される煩わしさも理解できます。ただ、このような現地学生の実情を目の当たりにして、まさに「上有政策,下有对策」だなと思いました。

 

冬休みが始まり、既に天津や上海に旅行に行きました。北京とは全く異なる街の様子に中国の広大さを改めて実感しました。自分が見ている中国は中国のほんの一部に過ぎないのだと、旅行に行くたびに思い知らされます。冬休みは食堂が閉まり現地学生は帰省し、学内は閑散とすると聞いています。私は日本に一時帰国する予定はないので、この期間を利用して更に多くの場所を訪れて、未だ知らない中国の魅力に触れていけたらと思います。

 

街中で新年快乐という文字が見られます。