「留学する前のイメージと実際に留学して気がついたこと、新たな発見」遠藤 美湖(青島大学)

留学する前のイメージと実際に留学して気がついたこと、新たな発見

・留学する前のイメージ

大学1・3年次に中国語を勉強し、その後半年の休学を経て中国留学を始めました。この半年間は、日本でできることをやり尽くそうと考えており、中国について深く意識することはありませんでした。今になったから言える話ですが、実は中国語の勉強はゼロと言っていいほどで、留学先である青島についてもほとんど調べていませんでした。そのため、留学前の中国へのイメージは中立的で、「隣の国だけど深く理解していないな」「高校で世界史を勉強していたから歴史について少し覚えているな」という程度でした。加えて、料理が油っぽく、留学中に太って帰国するかもしれないと考えていました。それでも、新しい環境での生活を楽しみにしており、大きな心配はありませんでした。

 

・留学して気がついたこと

日本、中国、他国の留学生を問わず、大学生の生活スタイルには大差がないと分かりました。勉強だけでなく、イベントに積極的に参加する人や、自分の趣味やサークル活動に打ち込む人、毎日同じ場所で勉強する人など、日本で見た大学生活と似た光景が青島でも見られました。ただし、大きな違いとして、中国の学生はアルバイトをする人が日本より圧倒的に少ないこと、大学院生の数が多いこと、そして青島大学では特に年齢や国籍の幅が広いことが挙げられます。

 

また、中国人の友人たちに「日本人はしっかり勉強しているよね」と言われましたが、彼らの高校生活について聞くうちに「私たちのほうが気楽に自由に生きているのでは?」と感じました。まさか朝5時半から夜10時までひたすら勉強する学生がいるとは知りませんでした。さらに、芸術、音楽、体育、家庭科といった私の好きな副教科を学ぶ時間がないと聞き、高考のレベルの高さや彼らの勉強環境に感服しました。

 

・新たな発見

1つ目は、Wechatの便利さです。ただの連絡ツールや決済アプリ、LINEの代替品だと思っていましたが、それ以上の機能を持っています。タクシーの配車やチケット予約、音楽検索や鑑賞機能など、恐らくまだ私が知らない機能も数多くあり、これだけで生活が完結するほど便利です。

 

2つ目は、ネットショッピングの利便性です。欲しいものは何でも揃うだけでなく、7日以内なら返品可能で、配達員が寮まで回収に来てくれるため、気軽に返品できます。「とりあえず買ってみる」という考え方は日本にはなかったので驚きました。

 

3つ目は、昼休みの長さです。昼食後に昼寝する文化があり、午後の授業が始まるまで2時間も休憩時間があります。これには非常に助かっています。日本にも導入して欲しい事の一つです。

 

4つ目は、ショート動画文化が日本以上に盛んであることです。学校行事は写真だけでなく動画で記録され、編集も素早く行われます。中国では動画編集環境が日本よりも発展していると感じました。

 

5つ目は、スケジュールの急さと柔軟さです。たとえば、迎新年晚会の準備では、突然「明日先生の前でオーディションがあるので集合してください」と連絡が入ることがありました。また、告知なしに寮で断水することもあります。これを書いている間にも、ルームメイトがシャワー中に断水し、ウォーターサーバーの水でシャンプーを流すのを手伝いました。このような予測不可能な環境にも少しずつ慣れてきました。

 

 

◉12月の思い出コーナー

12月は大きなステージでの経験や、中国人学生たちとの交流が深まった1か月でした。

 

①青島大学の学部対抗合唱祭への参加

広すぎる体育館で学部ごとに合唱や舞踊を披露し、最後には全校合唱や誕生日祝いも行われ、とても面白い経験になりました。同じ奨学金で留学中の山崎さんと一緒に参加しました。

 

 

②迎新年晚会で中国語の歌を披露

大きなステージで歌う機会に恵まれ、髪色もあいまってか翌日以降「あのとき歌っていた子だよね!良かったよ!」と声をかけられることが多く、幸せな経験が出来ました。

 

③日本語学科の学生との交流会

交流会では多くの中国人学生と知り合い、その後一緒に食事をし、プレゼントまでいただきました。次は日本に帰国する際、彼女たちへのプレゼントを用意したいと思っています。