今月のレポートでは、中国での流行や私が関心を持つものについて記させていただきます。
自分と関りのある中国人学生に日本語専攻の学生が多いというのもあるかと思いますが、やはり日本のアニメ・漫画は依然として高い人気を博している印象を受けます。特に現在日本でも大人気の『ちいかわ』は中国人にも大変馴染み深いようで、キャンパス内でもちいかわのグッズを身に付けた学生は頻繁に目にします。一方で、中国国内で日本アニメのイベントを開催するハードルはやはり高いらしく、海外文化の盛んな上海以外の都市ではまず開催される事はないそうです。『ラブライブ』が大好きだという現地学生と交流がありますが、ライブに参加する為にわざわざ北京から飛行機で移動する事もあると言っていました。
ここで感じたのは、若者はリアルタイムで流行を捉えていると感じましたが街中の文化については数年分のラグがあるという事です。日本系の居酒屋ではもちろん、大学の食堂でもJ-POPが流れている事は多いのですが、大半が6-7年前の流行曲です。先日店でたまたま話した40代くらいの中国人が、3年前のニュースを最新の日本事情だと思っていたという事もありました。SNSの発展により若者は逐一日本の新しい情報を得ています。自民党総裁選がまだ終わっていない段階で中国人学生にシーポーマオ(石破茂の中国読み)はどんな人か、と尋ねられたくらいです。しかしながら、大学の外に目を向けると、まだまだ最新の情報は行き届いていないようです。
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街中に多くある台球(ビリヤード)のバー 日本でプールバーが流行したのはバブル期だが、中国では今人気があるようだ
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日本を模した居酒屋も人気がある。 新宿歌舞伎町が日本の夜の街の象徴だというのは共通認識のようだ
私自身はというと、少し前からリスニングも兼ねてC-POPや中国ドラマに触れるようになりました。教材のリスニングと違い、より日常生活に即した言葉遣い(いわゆるスラングも含めて)に触れられる点が魅力だと思います。
渡航前の印象では中国といえば歌謡曲というイメージが非常に強かったですが、いわゆる韓流アイドル系の男性ミュージシャンは非常に人気を博しており街中にも彼らの写真を用いた様々な広告が広がっています。個人的には、汪苏泷という遼寧省出身の歌手を最近よく聴いています。中国人学生が『ちいかわ』や『ラブライブ』などのサブカルチャーを通して日本の最新事情を知るように、私もこうしたところからキャンパスの外の事情に触れていきたいと思います。
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アニメのイラスト集と同じく本屋に必ずあるのが、稲森和夫氏の自伝 IT系スタートアップが盛んな中国において、京セラやKDDIの舵取りを担いJALを再建した 経営の神様が人気を博すのは当然かもしれない
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ちいかわ人気の背景には、苛烈な受験競争で疲れた心を癒したいという見方も