中国ではデリバリーサービスが日本よりも普及していると感じる。ほとんどのものが淘宝や美团外卖という通販サイトで購入することができ、非常に便利である。日本にいる時よりも利用する機会が圧倒的に増えた。先日、目薬がなくなったので美团外卖を利用して注文した。30分もかからずして届き、その速さに驚いたと同時にたった一つの目薬を届けるのに配達員は利益があるのだろうかと疑問に思った。ショッピングモールに行った時も配達員の方々がスマホを見て注文を誰よりも先に受けようと確認している姿が見られた。彼らは一つでも多くの荷物を運び必死に働いている。一件一件の配達では少ない利益でも、とにかく数多くの仕事をこなさなければ高い評価が得られず、次からの仕事が保障されないそうだ。
近年中国では就職難な状況にある。どの仕事にも多くの競争者に直面しなければならない。激しい競争社会では、より高い学歴と専門的な知識を持つ者が有利である。就労の状況が厳しい中、一部の高い職位や業界は修士博士などの学位を求めるようになる。そのため修士博士など学位を持つ学生はより良い仕事のチャンスと高収入な職業に就くことが容易になる。より多くの大学生も大学院に進学しようとする。これは中国の学生が自己の学歴と競争力を高めて就職の可能性を広げる手段の一つとなっている。実際私の中国の友人はほとんどが大学卒業後に大学院に進んでいる。これは一種の流行りといえるかもしれない。清華大学でも6万人の学生のうち4万5千人ほどは大学院生が占めていて、より高度な専門的研究に取り組んでいる。学生の健康と意欲を後押しするように、学内では医学部の学生による健康チェックや運動期間など様々なイベントが行われている。一方日本では、大学卒業後は直接就職する傾向がある。これらから中国と日本の社会環境の違いを感じる。いろいろなことに気づかせてくれた目薬をこれからも大事に使っていきたい。