今月のレポートでは、雲南省昆明市で留学生として生活してみて得た体験をご紹介します。
今年の2月から3月にかけて江蘇省にある蘇州大学で約2週間短期留学を経験しました
水墨画のような街並みに走る水路に船がいくつも浮かんでいる様子が特に印象的でした。
私が留学先に選んだ雲南省は少数民族が多く生活する場所であり、ひとたび街中を離れると各民族の人々の暮らしが垣間見えます。
10月・11月の旅行先はいずれも雲南省のなかにあります。
学校の規定で昆明市を離れて旅行に行けるのは月に1度までと決まっています。
貴重な旅行の機会を使い、10月は麗江古城(丽江古城)へ、11月は哀牢山に行きました。
中国国内の観光地には等級があり、一番高いものはAAAAA級・一番低いものはA級で5段階に分かれています。
4つの観点(サービスの質と環境の質・景観の質・観光客の満足度・国内外観光客の年間受入数)から評価が行われているそうです。
【旅行計画の立て方】
・高速鉄道(高铁)や飛行機などの移動手段を確保します。
特に10月は国慶節(国庆节)による約1週間の大型連休があるため、早めの予約をお勧めします。
クラスメイトには交通費や宿泊費が高くなるこの時期を避けて旅行する人もいました。
また、9月初めに到着報告(报到:入学手続きにあたるもの)をした学生の中には、居留許可の手続きの関係で国慶節までにパスポートが返却されなかった人もいました。
私の場合は10日で手続きが完了しましたが、地域差があるそうです。
(北京では1週間で完了したという話を聞きました。)
・チケットの購入はAlipay(支付宝)のトップページにある「Trip机票高铁」の機能や、携程旅行というアプリを使用しました。
旅行先のホテル(酒店)も同時進行で探しておくと、滞在にかかる費用のおおまかな計算がしやすくなります。
・情報収集はRED(小红书)と大众点评で場所やお店の名前を検索して行いました。
中国版Instagramとも称されるRED(小红书)では、ファッションやお化粧、映画・漫画などの作品について写真や映像を用いて閲覧・投稿することができます。
特にTikTokやYouTubeなどのショート動画形式で字幕付きのチュートリアルを説明するものは現代のSNSでよく使われる表現を知ることが出来、勉強の息抜きになります。
大众点评は大規模口コミサイトで、予約やクーポンの取得ができます。店先に「大众点评で星5」(最高評価が星○個と表示される)と掲げる場所もあり、特に飲食店でよく見られる宣伝です。私は星4.5以上を目安にして探しました。
また、美团というアプリでもさまざまな予約ができます。
こちらは宅配サービス(外卖)が特に有名で、黄色いヘルメットにジャケットを着た配達員を見ない日はありません。
行きたい飲食店があれば、外卖の機能からメニューを見られます。
食べられない物やアレルギーのあるものについては事前に下調べしておくと良いと思います。
・旅程の組みかた
ここで活躍するのが地図アプリです。
私は高德地图と百度地图を使っています。
行きたいお店や場所をアプリのブックマーク(收藏)機能を使ってメモします。
特に麗江ではお店がひしめき合って建っているため重宝しました。
特に初めて行く場所はトラブルが起こったり寄り道したりすることを考えて、時間にゆとりを持たせて予定を組むことをオススメします!
☆麗江古城(丽江古城):雲南省の北西部
雲南省麗江纳西族自治県の中心都市で、長い歴史と素晴らしい文化を持つ有名な都市です。中国でも珍しいかなり保存状態の良い少数民族の古都であると評価されています。(AAAAA級)
雲南の有名な観光地と言えば麗江が真っ先に上がるほど知名度が高く、歩くだけでも華北や江南と比べて一風変わった文化が根付いていることがわかります。
敷地内は石畳で覆われた坂と階段が多いので、歩きなれた靴が必須です。
ここでオススメのお店を2軒ご紹介します。
・猫空書店(猫空书店)
蘇州(苏州)の平江路に本店があるお店ですが、麗江(丽江)をはじめ中国国内各地に店舗があります。
ポストカードやマグネット(冰箱贴)が豊富で、図案はその観光地ごとに異なります。
店舗から手紙・ハガキを送ることができるほか、未来の自分に宛てて送るサービスが人気です。
個人的には店名の通り猫が店内を散歩しており非常に癒される点、カフェが併設されている店舗では座って休憩できる点から観光の休憩ポイントとしてもオススメできるお店です。
・東巴紙房(东巴纸房)
纳西族のトンパ(东巴)文字で書かれた書籍や、伝統的な方法で樹皮から作られた紙を購入することができます。
トンパ文字は象形文字であるため、意味がわからなくても意味を推測でき、見ているだけでも楽しいです。
特に強く興味を惹かれたのはトンパ文字辞書です。
普通话のほかに英訳や日本語訳が載っているものもあり、少数民族の文化に興味がある方にとって非常に貴重な資料であるとも言えます。
購入した冊子にトンパ文字で成語を書いてくれるサービスがあり、書いている様子を撮影させてもらいました。
今回は日程の都合で訪れることが難しかったのですが、玉龍雪山(玉龙雪山)も観光スポットとして有名です。
丽江古城からアクセスが良く、遠くから見るだけでも雄大な自然を間近で感じることが出来ます。
☆哀牢山:自然を楽しむスポット
雲海が見られる場所で、留学生クラスの同学の運転で連れていってもらいました。
国家級自然保護に指定されており、整備された林道の中に熊をはじめとする野生動物に関する警告看板が設置されていました。
雲海が見られるという展望台は標高が高いために非常に天気が変わりやすく、霧に包まれたと思ったら数分後に晴れ、晴れたと思ったらまたすぐに霧に包まれるといった天候でした。
そんな中でも頻繁に変わる雲の流れをたっぷりと眺めることができ、気づけば2時間ほど雲海を眺めていました。
昆明への道中に石門峡(石门峡)にも立ち寄り、生い茂る木々のなかを滝や川の流れを楽しみながら歩きました。
体力を使い果たしてしまい、遊歩道を歩き切ることはできなかったのですが、坂や階段、岩がすぐそばに迫る様子に圧倒されました。
今回は雲南省での旅行体験についてご紹介しました。
これを読んでくださっている皆さんも、ぜひ一度雲南省にいらしてみてください!
東巴紙房(东巴纸房)にてトンパ文字での筆記サービス 映像中の成語は「魁星点斗」
昆明への帰り道での場面 ここでは牛が最優先。
運転をしてくれた同学のお気に入りBGMと共に。