「中国文化」岐部 砂樹奈(中国人民大学)

中国に来て4ヶ月になろうとしている。日々の中国人との交流において、私は日本とは明らかに違う中国の文化によく触れることがある。私が最も気になるのは、中国の面子文化である。
では、「面子」とは何か。「面子」とは日本語に訳すと、「メンツ」という意味である。

中国はメンツを何よりも重視する文化があるのだ。日本にもメンツはあるが、そこまで強いこだわりはない。
メンツに対する考え方は、日本人と中国人では大きく異なると私は実際に中国生活を通して感じる。
なぜ中国人は、それほどメンツを何より重視するのか。凄く興味深い文化と思い私は調べることにした。
すると、中国人にとってメンツとはアイデンティティーのようなもので、その人にとって人生で得てきたもの。
つまり、地位や名声、名誉、業績、成果などに関わるまさに“顔”。
ほとんどの中国人が「メンツを失うことは死ぬことと同じ」と考えているようでメンツを気にしない人はいないということだった。
例えば、仕事上や私生活上などあらゆる場面で相手のメンツを立てることが、中国人の人間関係の基本であって相手のメンツをつぶさないことが大切みたいだ。

 

北京も5年前と比べ物価も上昇し中国人の生活レベルがますます向上していると思うが、外で食事をするというのは決して安くはない。
しかし、中国人は面子を重んじるので、親友や心が知れていない人と食事をするとなると、やたらに料理を注文し、なおかつ、ご馳走してくれる事がほとんどだ。
さらに、食事をしている場でよく見る光景がある。勘定の時には、中国人同士誰が勘定するのかこれもみんなが面子を建てるために、自分が払うと揉め合っているのだ。
今は若者の間で「AA制」という割り勘の方法も増えてきているが、基本は1人が全て勘定する。
中国の面子文化は、日々の生活の中での食事や勘定にも関わっており、中国生活では欠かせない文化であるからこそ中国生活する上で面子文化に対して更に理解する必要があると考える。