「大学(授業・試験・生活・寮)、授業がない時、休日の過ごし方」北原 康輝(復旦大学)

先週、大学でテストが行われました。私は上から三番目の上級クラスに所属していて、テストの難易度に恐怖を感じていましたが、何科目も90点以上取れましたので、安堵しています。もしかしたら次の週から中国語の最上級クラスに行ける可能性もあってワクワクしています。

私は授業中に誰よりも発言することを心がけています。先生も私たちに授業内容に関連した質問(例えば授業で教育に関する文章を読んだらクラスメイトにあなたの国の教育制度や教育の課題を聞いてくる)をしてくるので、中国語で論理的に話す訓練をしています。

発言する時も授業で新しく習った単語を使うようにしているので、アウトプットの機会にもなります。ヨーロッパやアメリカからの留学生もクラスメイトに多いので、彼らと授業中に意見交換や違う立場から議論することで得られる知見も多くいつも刺激を受けています。

試験勉強は大変でしたが、クラスメイトと一緒に勉強して、お互いに分からない部分を教え合うことで乗り越えられました。

 

また、授業のないときは就活をしています。私は休学中の大学4年生なので現3年生と同時に大学を卒業することになります。それ故に、今から準備をしなければ間に合わないのですが、想像以上に留学と就活の両立は難しいです。

加えて、私は中国残留日本人に関する卒業論文も執筆しているので、想像以上に毎日が大変でストレスを感じています。留学を早く終わらせるために私はボストンキャリアフォーラムに参加することを決めました。

この制度は毎年11月にアメリカのボストンに日系企業や外資系企業が集まって、面接を行います。留学経験者や海外大卒の日本人学生向けのイベントなので、来年中国に留学する皆様はぜひ参加を検討してみて下さい。

上手く面接を乗り越えることができたら、11月の時点で内定をもらえますので非常に貴重なイベントだと考えています。実際、復旦大学の多くの本科生も参加しています。

 

私は国慶節に海抜の平均が3000mを超えている街、青海省の省都である西寧を拠点にして、周辺地域を旅行しました。列車のチケットを取れるか検索したところ硬い座席しか取れないことに気づき、それでも決心して行きが24時間、帰りが33時間という途轍もない列車の旅をすることにしました。

西寧は社会学を学んでいる私からしたら非常に面白い街です。漢族が50%、回族、蒙古族、チベット族、ウイグル族のような少数民族が人口のもう半分を占めています。

民族ごとに保持している文化は異なりますが、お互いに「中華民族」という共通したアイデンティティがあるので、共生が成り立っていると思います。外国人がいない街なのにも関わらず、本当に「国際的な街」だと錯覚してしまいました。

しかし、タクシーの漢民族のおじさんが「回族と漢民族は分かり合えない、宗教や考え方の根本が異なりすぎているから」と話していたのが印象的でした。表面では回族も漢族も一緒に暮らしていますが、分かり合えない部分があるのでしょうか、表面しか見えなかった私には気づけなかったです。

 

私が泊まっていたホテルは回族が拠点としている地区で、半径2km以内に有名なモスクが2つあります。各民族も話している言語に差異があって、私は全く聞き取れませんでした。

モスクも2つ観ましたが、片方のモスクは中華文化と融合していて、今までに見たことないモスクの形で印象的でした。

主に回族とウイグル族が利用しており、観光客は外観のみ見学でき、内部はイスラム教徒でなければ入れませんでした。しかし、モスクの周囲には回族が清真料理(イスラム料理)の屋台やお土産屋を開いていました。そこで、ヤギの串を食べましたが、民族ごとに食べている物が全く違うので、面白いし美味しかったです。

 

しかし、最も心に残っているのは青海湖です。湖の逆側には草原と標高5000m級の山が聳え立っています。気温は5°で、雨も降っていてとても寒かったのですが、湖はとても澄んでいて、対岸が全く見えないくらい広かったです。

世界で一番標高が高い淡水湖と言われています。ちなみに、文成公主も唐から吐蕃に嫁いだ時に、途中で寄った湖と言われていて、とても歴史がある湖でもあります。

山、高原、湖の自然の贅沢三昧で本当にチベット高原の壮大さに驚かされました。本当に言葉に表現できないくらいの絶景でした。人生で一番かもしれません。

2日目に行った塔尔寺も印象的でした。300人以上のチベット仏教のお坊さんを擁するこの寺はチベット仏教の六大寺院で、チベット仏教の最大宗派のゲルグ派の開祖であるツォンカパ法師の出身地です。チベット仏教ではツォンカパ法師がお釈迦様の次に位が高く、お寺の至る所で祀られています。

内部の写真も撮りたかったのですが、撮影禁止でした。内部のカラフルな装飾に驚かされたのはもちろん、黄金のお釈迦様とツォンカパ法師は圧巻でした。チベット仏教のお祈り様式も教えてもらったので、その通りに何回もお祈りしました。

私たちが教えてもらったお祈りのスタイルは簡単な方法でしたが、チベット仏教の信者は五体投地を行います。お寺の中に五体投地を行って周囲を移動していたお坊さん、一般のチベット民族の方がいました。

マニ車もあって、一つのマニ車の中に経典が大量に入っていて、それを回すと読んだことになるそうです。日本の大乗仏教、東南アジアの小乗仏教とも異なるチベット仏教。神秘的でもっとお寺の中に居たかったです。

 

ご飯も強烈でした。特にバター茶です。バターの香りが強烈で今まで飲んだどのミルクよりもクリーミーでした。牛肉チャーハンや羊肉の小籠包?も食べましたが、肉肉しさが強くて今まで食べたことがない味付け、風味で新鮮でした。結構美味しかったです。高い標高を生きるチベットの方には不可欠な食べ物だと思います。

まだまだ語りたいことは一杯ありますが、西寧に来て正解だったと思います。外国人も全然いなくて、街の作りも上海とも異なっていて、本当の中国に来た感じがしました。

前日に決めた弾丸旅行でしたが、人生で忘れられない最も貴重な旅行、勉強になったと思います。

 

これはタルチョーというチベット仏教の祈祷旗です。1枚1枚に仏様の絵と経文が書いてあります。

ツォンカパ法師が誕生したタール寺で写真を撮りました。

 

青海湖の裏側は標高5000m級の山と草原を見ることができます。

 

青海湖の写真です。とても水が澄んでいて美しかったです。