9月10日に青島大学に到着し、青島での生活をスタートさせた。青島はリゾート地という印象も強いが、海沿いの街ということで対外貿易が盛んで、何と言っても青島ビールと大手家電メーカーHisense(海信公司)があり経済が発展している都市である。だがやはり1年間留学していた首都北京と比較すると、青島は街自体がこじんまりとしていて雰囲気が穏やかだなと感じる。そこで今回は、私が発見した青島の特徴をまとめていきたいと思う。
北京と比較して見る青島の特徴
1.日本の気候と似ている
少し前の台風の影響かもしれないが、私が青島に来たばかりの頃は湿度が高く日本の気候と似ていると感じた。少なくとも北京の365日乾燥している空気とは全く異なる。また空の色や雲の雰囲気が日本の夏空とよく似ている気がする。
2.物価が安い
青島大学の食堂は9〜15元でお腹いっぱい食べられてとても安い。北京電影学院や北京語言大学の食堂は15元〜25元くらい(だが味は北京語言大学が優勢)。また北京の時は外で食べると割高ということもありほとんどの学生が食堂を利用していたが、青島は外食もかなりリーズナブル。北京で外食すると麺物1杯25元以上はかかるが、青島では12〜16元。北京の物価を知っているからこそ、青島の物価により有り難さが増す。
3.ショッピングモールや大型スーパーが少ない
北京には至るところにショッピングモールがあり、多くの飲食店や雑貨屋が出店している(出店店舗はどこも被っているが)。そのため、以前はお気に入りのモールを見つけて散歩がてら買い物に行くのが好きだった。だが青島では高級百貨店のようなスタイリッシュなモールか、店舗がそこまで充実していない残念な雰囲気の漂うモールどちらかという印象だ。私のモール探し能力が鈍っているだけなのかもしれないが、青島は土地代が比較的安く、各々が路面店を出店しやすいためモールの必要性がないのかと思ってみたりもする。
また北京には物美や超市发といったチェーンの大型スーパーもたくさんあったが、青島ではまだあまり見つけられていない。ただ北京にはおそらくない大きなイオンがある(これは残念な雰囲気が漂うモールの1つ)。唯一、学校の近くに大润发という大型スーパーを見つけたので、買い物がてら1階の一人火鍋屋によくご飯を食べに行っている。
4.快递が早く届く
こればかりは本当に気のせいかもしれない。もしくは学校の快递中心(荷物受け取りセンター)の対応が関係している可能性も考えられる。だが、体感的にやはり青島の方が早く届くような気がする。北京の時は3〜4日かかったものが、青島では大体1日半〜2日あれば余裕で受け取り可能。ネットショッピングをするとほとんどの荷物が南方から発送されるため、距離が若干近い青島の方が早く届くというカラクリなのか。どうなのか。
5.街が外国人慣れしている
青島では街や大学内で日本語を喋ったり、欧米人と歩いていてもほとんど注目されない。北京の時は注目の的になるし、お店の人に必ず話しかけられる。友人が北京に遊びに来た時、あるレストランで私たちの日本語を聞いた店員が他の店員に言いふらし、店内でやや注目の的になったこともあった。北京にも外国人留学生はたくさんいるはずなのに、何故か北京で外国人に出会う確率は本当に少なかった。一方の青島では、外国人だと向こうが気づいても「ああ、外国人ね」という感じでそれ以上聞いてこないし、ジロジロと見られることもあまりない。大学付近のお店では特にそう感じる。外資企業が多いことも関係しているのか。
6.日系コンビニといえばセブンイレブン
私が知っている限り学校内にセブンイレブンが3〜4店舗ある。寮の1階にもセブンイレブン。またどのセブンイレブンもお惣菜が豊富でしかも普通に美味しい。北京のセブンイレブンでも申し訳程度にお惣菜が売っていたが、あまりそそられず食べたことはなかった。ちなみに北京でよく見かけたファミリーマートやローソンはまだ見かけていない。大連に旅行した際は至るところにローソンがあり、逆にファミリーマートとセブンイレブンは見かけなかった。
7.地元に根付く青島人
青島大学で知り合った中国人の友人、そしてほとんどの先生が青島出身であることが分かった。北京では地方から進学や就職のために多くの人が上京してくるので、大型連休になるとそれぞれ地元に帰って行く。確かに自分が青島出身だったら、せかせかとしていない地元が一番居心地が良いだろうと思う。
8.大学院の競争率が高い(?)
北京の大学院生の友人に話を聞くと、「本科から同じ大学の大学院に進学するのは比較的容易だ」とみんな回答していた。特に北京電影学院は専門性が高いため、内部進学の融通が効きやすい(逆に外部から受験して大学院に入るのは難しい)と皆が口を揃える。一方青島大学では教室棟の廊下に机が無造作に並べられ、大学院受験生がそこで勉強している様子が見える。もしかしたら内部進学ではなく、よりレベルの高い学校を目指しているのかもしれない。学校のネイルサロンが書店兼自習室の隣にあるのだが、「ここ3年で大学院の競争率がさらに高くなった影響もあって、毎日多くの受験生がこの自習室に来て勉強している」とネイリストが教えてくれた。
青島での1ヶ月を振り返って
このレポートで取り上げた青島の特徴は私個人の所感でしかないため信ぴょう性に著しく欠けるが、同じ中国でも地域によって生活リズムや風土が全く異なるのが面白く、2都市に留学することができて本当に嬉しく思う。授業やクラスの雰囲気も北京の時とはガラリと変わったため、来月以降にまたまとめていきたい。
話は変わるが、私はこの留学レポートで毎回その月の振り返りを最後に記載している。遡って読んでみたところ、ちょうど1年前のレポートに語学面での不安な心境が下記のように書いてあった。
言語習得は自分では成長が見えづらく、辛抱強く続けていくしかない。分かっていても、自分の日々の過ごし方は合っているのか、1年後にはどのくらい中国語が話せるようになっているのか不安になってしまった。10月からは、「聞き取れなかった」「話せなかった」と悲観的になるのではなく、「相手の話を理解できた」「話が通じた」という小さな成功経験を大切に、少しづつ積み重ねていきたい。
毎日の授業や中国人とのコミュニケーションを通してつくづく感じるのは、「北京での1年があったから今の私がある」ということだ。日中友好協会の皆様、北京で出会った人、環境、1年間頑張った自分にとても感謝している。そして今、(中国語クラスの先生の要求の高さに若干怖気付いているのだが)この青島の滞在をご褒美の半年だと思い中国生活を楽しむとともに、中国語がもっと上手くなれるように感謝を忘れずに精進しようと思う。