「留学を開始して困ったこと、面白かったこと」石橋 肇子(北京師範大学)

今月は大学での授業も始まり、本格的に留学生活の幕が開いた。

 

私は寮のルームメイトが既にこの大学に2年住んでいてここでの生活に慣れていたため、例えば、学校で使うwechatのサービスや公共交通機関の乗り方、最寄りの駅やスーパーなど、あらゆることを彼女に教えてもらい、また、学生証が発行されるまで彼女の学生カードで学食を支払ってもらうなどしていたため、ありがたいことに生活の中で困ることは殆どなかった。

知っておくと便利だと感じたライフハックを1つ書くと、中国は本当にスマホ社会で、様々なサービスが全てオンライン、特にwechatで行われている。

観光地やレストランの予約、学校のサービス、活動などは、wechatで検索してみるとそのサービスを見つけられることが多い。そのため、例えば、ある観光地に行きたい、とか、学校の部活に入りたい、という時にアプローチの仕方がわからない時は、wechatで検索してみると何か見つけられることが多いと思う。

 

次に、中国で面白いと感じたことを2つ書く。

 

1つ目は、課外活動についてだ。私は、卓球、サッカー、伝統芸能の3つの部活に入った。

卓球部とサッカー部は経済学部所属の部活(院队)で、伝統芸能の部は全学の社团である。

伝統芸能の部では、毽球と呼ばれるバドミントンの羽を足で蹴る競技や獅子の頭を持って大きく踊る狮子舞などをしている。

卓球部は入部するために選抜があり、日本の大学の部活で入部選抜なるものを見聞きしたことがなかったため、選抜の連絡がきたときは驚いた。

大学内での学部対抗戦に勝つことが院队の最大の目標であるようで、卓球部は選抜しているだけあって部全体で15人程度しかいない。練習頻度はどの部活も週に1,2回で、その日に行ける人だけが練習に行くというシステムである。

卓球部に至っては選抜まであったのに、ここまで練習量が個人の裁量に委ねられるのは、日本の部活を経験した私からすると、自由度が高くて入部方法と矛盾しているように感じた。

しかし、部員に聞いてみると、練習に毎回参加しないのは学業が忙しいからだそうで、ここにも日中の大学生活の違いが反映されているように感じた。

また、サッカー部はコーチがついており練習内容はかなり本格的である。団体競技ということもあり、コーチや部員とのコミュニケーションに中国語力が求められる。

今はコーチの細かい指示が聞き取れないことが多いため、試合動画や解説動画を観たり、用語を調べて覚えたりしている。早く皆と不自由なくコミュニケーションが取れるように成長したい。

 

2つ目は授業の内容についてである。私は今、経済学部での授業と、中国語の語学の授業の2種類を受講している。コマ数としては語学の授業の方が多いが、経済学部の授業の方が日本で学んだ内容と比較したり新しい視点から学んだりできて面白く感じている。

国際問題もどこの国の立場から見るかによって考えが変わるし、中立的な視点から考えようとしていたつもりが、そもそも、自分が意識してきた問題自体が日本と関わりの深いものに偏っているということに気付くなど、、自分の視野の狭さを痛感した。

また、日本で学んできた中国経済の事情と、実際に住んでいて感じるもの、中国の大学で学ぶもの、それら3つが繋がることもあれば衝突することもあり、脳内の知識や情報が常にアップデートされていくように感じる。

今学期、語学の授業を多く取っているのは、来学期に中国語での経済学部の授業を理解できるようになりたいから、という理由が主であるため、しっかりと語学の授業に励み、来学期は中国、国際経済についての見識を更に深められるよう努力したい。

 

以上のように、授業内外で日々様々な経験ができており、充実した毎日を送れている。現在、私は国慶節の大型連休を利用して中国国内を旅行しているところである。

北京-ウルムチ-敦煌-蘭州-北京と、シルクロードを横断する計画で今はウルムチにいる。北京とは文化も街並みも異なり、非常に面白い。3都市の周遊を楽しみながら、中国のことをより理解していけたらと思う。

 

乌鲁木齐の天池、仙境という言葉が見合う、美しい場所だった

新疆名物の羊肉抓饭、乌鲁木齐は食事が全て美味しくて、本当に美食天堂だと思う