「留学にむけて取り組んだ準備と留学にむけた思い」里和麟太郎(浙江大学)

筆者が大学院の後期博士課程に入学したのは2020年であった。

前年より感染が拡大しつつあった新型コロナウイルスの影響が全世界に波及し、日本でも猛威を振るった。

大学の授業もオンライン授業となり、世間の様相は一変した。このコロナウイルスの影響は筆者にも大きく影響した。

東洋史を研究する大学院生は中国に留学することが多く、筆者もそのつもりであったが、しばらく様子を見ることになった。

今年、中国政府奨学金を取得することが叶い、中国留学への道が開けて嬉しく思う。この機会に本場中国の東洋史研究を学ぶつもりである。

 

初めて中国への興味を抱いた『三国志』

 

筆者はこれまで、語学を軸に留学準備をしてきた。

2021年からHSKへの挑戦を始め、昨年の試験では6級の筆記試験で6割の成績を収めることができた。

しかし、試験問題を解けることと外国語を実際に使えることは異なる。

中国語を「使う」能力を高めるために、筆者は所属する研究室の中国人留学生と中国語で話す練習を行ってきた。

現状、中国語を使いこなせていると自信をもって言うことはできないが、それでも一定の水準には達していると自負している。

今年2月、台湾へ旅行に行った際には実際に中国語を使い、会話を成立させることができたのは自信になった。より一層精進したい。

 

HSKの勉強に使ったテキスト

 

筆者は高級進修生として留学する。

大学院生は自由度が高く、自身の研究を進めていく力が要求される。

留学中もこのように自由度が高い生活になると予想している。筆者はこの機会を活かして博士論文執筆の為の準備を行い、研究者としての見識を広めるつもりである。

筆者は中国宋代の歴史を研究している。

中国における研究状況の確認や史資料の収集を行い、今後の研究の糧とする。また、中国の歴史教育の内容や、中国における歴史上の人物に対するイメージを調査したい。

この調査は現代の中国人が抱く認識の調査であるが、その認識は筆者が研究する宋代の人々の認識と通じるものがあると考えている。

以上のような研究、調査を行い、充実した留学生活を送りたい。

 

中国へ行った時に撮影した写真