今月のテーマである「留学中に経験した面白い、変わった体験」として、今習っている少林功夫について書きたいと思います。
留学に来て授業や生活のリズムに慣れた11月ごろから、少林功夫を習い始めました。大学が提供しているプログラムの一つで、毎週金曜の夜にキャンパス内に外部の先生を招いて講義が行われています。授業は大学生であれば誰でも参加でき、中国人学生と留学生が半々ほどの合計20名ほどが受講しています。
もともと体を動かすことが好きだったため、中国に留学したらぜひ中国の伝統武術を習ってみたいと思っていました。本当は、中国のドラマなどでよく目にする公園でのダンスや太極拳にも参加してみたかったのですが、私が住んでいる大学の寮から徒歩圏内にそうした活動をしている公園を見つけられず、大学のプログラムを通して少林功夫を学ぶことにしました。
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少林功夫の練習風景
習い始めるまでは少林功夫についての基礎知識がほとんどなく、お坊さんが戦っているイメージしかありませんでした。少林功夫はもともと仏教の修行僧たちが、自衛や修行の一環として始まった武道のようです。全身をくまなく動かすことができるため運動量は多い一方、難易度は人によって調整が可能で、初心者でも楽しめるスポーツです。
私が習っている少林功夫では、対人の練習などは一切なく、ひたすら型を学びます。全ての動きに意味があり、一つ一つの型のつながりの中で攻撃をしたり相手の攻撃を防いだりします。相手が刀を持っている前提でその刀を振り落とすような動作があったり、相手の足元を攻撃した後に飛び上がって顔面を攻撃するなど、攻守バラエティに富んでいます。その分、飛んだりしゃがんだりと全身をくまなく動かし続けるので、毎回練習の後は3日ほどはひどい筋肉痛になります。
実は、少林功夫を習い始めるよりも前に、河南省の少林寺に旅行に行ったことがありました。当時も少林功夫や少林寺についての知識もほとんどないまま現地を訪れ、功夫のしょーを見て、同じ人間とは思えないような体の動きやパフォーマンスに感動をした記憶があります。あまりのレベルの高さに、自分がまさかやることになるとは夢にも思いませんでしたが、留学中のご縁でこのような経験ができていることに大変感謝しています。

以前訪れた少林寺(河南省)

お賽銭箱の横でゲームをしている太ったお坊さんもいました。修行をあまりしてなさそうでした。
留学生活も折り返し地点に差しかかりましたが、残りの期間もこの貴重な体験を通して中国文化への理解を深め、少林寺拳法の技術をより磨いていきたいです。