「留学中に経験した面白い、変わった体験」里和 麟太郎(浙江大学)

 街の中に赤い飾りが溢れ、どこか浮ついたような雰囲気の春節の季節が過ぎた。大都市からは人が居なくなるといった話も聞いていたが、そんなこともなく町中には人が多くいた。旧暦の元日に当たる日の朝に宿舎の窓から外を見渡した際は少しもやがかかり、かすかに火薬の匂いがした。前日の夜中には破裂音がしていたので、おそらく花火や爆竹を鳴らしていたのだろう。街には赤色の飾りや広告が飾られ、スーパーにも赤色の飾りや赤色の箱に入った食べ物などが売られていた。春節の時期の中国の街を見ることができたのは良い経験となった。

 さて、今回のテーマは留学中の体験についてである。以前のレポートでも記したことがあるが、筆者は渡航してから数回、中国で学会に参加した。そのときの体験について述べてみようかと思う。規模の大きい学会ともなると2、3日ほどの日程が組まれており、そのような規模の学会ともなれば100人を越えるような數の参加者がいる。全体の研究発表の他、それぞれの研究分野に応じた班に分かれて個別の発表を行なうといった形式で行なわれる。このような形式の場合はほぼ全員が発表を行なうため、参加者全員が論文を提出しなければならないことがある。また、フィールドワーク調査として博物館や史跡を見学しに行くことが日程として組まれている場合もある。個人的に面白かったのは、学会が開催される都市の政府が後援しているケースがあることだ。そのような規模の学会はかなり豪華であり、ホテルでの宿泊に食事も付いている。この宿泊時の体験は中々経験できない体験であった。筆者が参加した学会では、ホテルの部屋が相部屋であった。初対面の中国人研究者との相部屋はさすがに緊張したが、拙い中国語でなんとかコミュニケーションをとり、WeChatを交換した。このような体験は中々できない、得難い経験となった。また、中国語での発表を行なう機会を頂いたことも、得難い経験となった。とはいえ大変難しく、筆者の発音では中々聞き取ってもらえなかった。かねてより発音は課題だと思っていたので、今後とも勉強を継続していきたいと思っている。

 

春節休みの期間の街の様子。赤い飾りや広告が至る所にある。この日はあいにくの雨だったが、多くの人で賑わっていた。

少々わかりにくいが、学会の会場の写真。中国の人は写真撮影が好きなようで、他の人が発表している様子を写真に収める人が多い。