「認め合い」中溝 明佳(清華大学)

 日常生活の中で中国人の友人を作るのは簡単ではない。授業は留学生しかいないので、大学内の食堂やイベントに参加し、自分から話しかけにいくしかない。私はルームメイトと週末に青公益ボランティア活動やDIYイベントなど多くの活動に参加して中国人学生と会話しようと努力した。

【公園の古くなった鉢や花を新しく入れ替える作業】 

【布地のバッグに花や植物の模様を写すDIYイベントの様子】

【この日は香袋作り、切り絵、書いた手紙をランダムで交換する面白いイベントに参加した】

【↑制作した香袋、切り絵などなど。】

 

   私は9月に新入生に向けたサークル説明会に参加した。そこで日本でお箏をやっていた経験から中国の古琴に興味を持った。楽器をレンタルするために紹介された、琴製作と指導をされている方の店を訪ねた際に、最初は私が日本人留学生ということで驚かれたが温かく丁寧に琴について説明をしていただいた。留学が始まったばかりの頃だったので、語彙力不足から聞き取れない部分も多かった。しかしその話しぶりから専門家としての熱意を感じ取ることができた。サークルの中では、他の人たちと比べて自分が思うような音が出せていないことに悔しさを感じていたが、会話よりも音での交流があった。

【店内の様子】

【3000年の歴史を持つ七弦琴】

 中国は多民族国家であり多様性に富んでいる。それでも次々と大きな発展を遂げているのは、言葉や習慣、文化の違いを超えて良いものは受け入れるという寛容さがあるからだろう。私は異文化交流において心がけていることが二つある。一つ目は、相手のことを知りたい、理解したいという気持ちをこめて遠慮せずに言葉を発することだ。たとえ話す言葉は完璧でなくても、感情を表情に出しながら表現している。二つ目は、相手の話し方や感情表現をよく見て取り入れることだ。中国に来てから知り合った友人や中国人の話し方は抑揚があり、強弱がはっきりしている。感情表現もとても豊かだ。郷に入っては郷に従えというように、言葉だけでなく心の交流を通して価値観の違いを認め合えるようになりたい。私の中国語はまだ至らない点も多いが、常にこの二つの点を忘れなければ相手に自分の気持ちが伝わると実感した。

 授業がないこの期間はクラスの友人たちと中国の北方や南方の地域へ旅行に行く計画を立てている。地域によって違う生活習慣や衣食住について学びたい。2月中旬から次の新しい学期が始まる。引き続き多くの活動に参加し、中国の学生と交流の時間を増やしたい。彼らの話すスピードは速く聞き取れないこともある。しかしこの問題は時間とともに乗り越えられるはず、諦めずに挑戦し続けたい。