留学する前のイメージと実際のギャップ
私は過去に2回中国へ行っていますが、コロナ禍により今回の留学は約4年ぶりの渡航となりました。その4年間で中国に対する思いを拗らせ美化させてしまったので、その想像と現実のギャップに苦しめられました。
一番苦しんだのは時間と約束の感覚の違いです。例えばWi-Fi工事の約束を幾度も先延ばしにされたり、居留許可申請で公安局に預けていたパスポートを指定受取日に取りに行っても「居留許可手続きが遅延してるから、来週また来て」と悪びれもなく追い返されたりしました。時間を守れ、約束を守れと教育され続けてきた日本人にとって、時間通りに物事が進まないことにとてもストレスを感じました。
新たな発見
数ヶ月滞在して中国という国の解像度が上がり、新たな発見がいくつかありました。本日はその中からトイレの話をいたします。
私は中国のトイレにいまだに慣れていません。手洗い場にはハンドソープはなく、トイレットペーパーも備え付けられていません。常にトイレ用のティッシュを持参する必要があります。さらにはトイレットペーパーは水に流せず、便器横のゴミ箱に捨てなければいけません。よってトイレ内は常に悪臭がします。極めつけはほとんどが和式トイレであることです。古い建物だけでなく、数年前に建設されたばかりのショッピングモールのトイレでさえも和式でした。
私はこのことに疑問を感じながら過ごしていました。そんなとき中国人の友人と観光地の公園に遊びに行き公衆トイレを利用しました。そこは数年前に整備されたばかりの公園でトイレも新しく綺麗でした。そこに1つだけ洋式トイレが設置されていたので、私は迷わずそこに入ろうとすると、中国人の友人に「马桶(洋式トイレ)は不潔だから使わない方がいいよ!」と止められました。私はそのとき彼女の言葉の意図を掴めませんでした。和式は自分の排泄物が見えるし、便器が汚れてることが多いので、洋式トイレの方が清潔だと思っていたからです。彼女に理由を尋ねると、どうやら不特定多数の人たちと便器を介してお尻を密着させるから不衛生という考え方のようでした。
つまり中国人にとって洋式の公衆トイレ=不潔という認識だったのです。日本と考え方が真逆であることに私は大変驚きました。私はトイレを発展史観の観点から見ており、日本の清潔な多機能洋式トイレが発展の終着点だと考えていました。しかしそれは日本人の価値観で世界のトイレをジャッジしただけの誤った考え方でした。中国のトイレは中国人の価値観に合わせて発展していくものであると発見しました。
以下、12月の近況報告です。
西安日本人クラブの忘年会に参加
12月の初旬に西安日本人クラブの忘年会に参加してきました。西安中心部にあるホテルで開催され豪華なお食事を楽しみました。30名ほどが参加しており駐在員やその家族、日本語教師、美容師さんなど多岐に渡る日本人の方々と交流ができました。学生以外の人たちと繋がりを持て、将来の仕事の選択肢を考える非常に良い機会になりました。
地震
12月19日に甘粛省で100人以上が死亡する大地震があり、震源地から比較的近い西安でも震度3程度の揺れがありました。西安交通大学でも寮に住む学生が深夜に屋外に避難する事態になりました。日本でも中国でも多くの死傷者が出る大地震が発生すると胸が痛みます。