わたしが留学先を重慶に決めたのは、「重慶の街並みや雰囲気に惹かれたから」というのが大きな理由です。写真や動画で見てイメージしていた重慶は、真っ赤にぐつぐつ煮える火鍋、階段ばかりの街、ビカビカに光る洪崖洞…でしたが、実際に重慶に留学してみて新たに感じることがたくさんあります。
まず、重慶がビカビカに光るのは夜だけですが、昼間も同じくらい活力がある街だということです。わたしが通っているキャンパスは重慶の中心部から少し離れており、比較的お年寄りが多い地域ですが、道端でたくさんの野菜や果物を販売していたり、麻雀を打つ人たちがいたり、どこを歩いていても人の話し声や笑い声が聞こえ、活気で溢れています。
また、重慶の人の人柄は親切で熱心、フレンドリーな人が多いと感じます。飲食店に入るとお店の方がおすすめのメニューを教えてくれ、気付けば日常会話が始まっています。タクシーに乗ると、運転手の方が重慶の方言やおすすめの中国の歌を教えてくれます。一日に10回以上は耳にする方言の“要得”、“晓得”も運転手の方から習いました。留学前は、多少は日本人差別を受けることもあるんだろうなと覚悟していましたが、今のところ何もなく、むしろ歓迎してもらうことも多いです。こういった経験から知らない人にも自分から話しかける習慣が少しずつついてきて、自分の性格も外交的になってきた気がします。特に重慶の街は複雑で道に迷うことも多いので、たとえ方言の聞き取りに自信がなくても自分から積極的に人に聞くようになりました。ただ、自分から話しかける前に道をよく知っているデリバリー配達員の方がどこ行くの?と話しかけてくれることもあります(笑)
重慶は大きな都市ではありますが、都会すぎずローカルな雰囲気も感じられることが個人的に一番の魅力だと思います。
最後に、自分自身の新たな発見になりますが、辛いものを毎日食べる生活を続けていると辛いものが得意になってきました。よく行く担々麺のお店では辛さのレベルを選べるのですが、最初は辛いものが全く入っていないものを注文していたのが次第に“微微辣”、“微辣”へと変わり、最近は“微辣”だと物足りなく感じるようになりました。席に置いてある辣椒酱を自分で追加していると、わたしが辛いものが苦手だと知っているお店のおばさんもびっくりしていました。絶対に辛くて食べられないと思っていた真っ赤な重慶火鍋も、今は美味しく食べられるのが嬉しいです。