「中国で流行っていること(もの、人等)、自身の関心のあること」大宮 千尋(北京語言大学)

こんにちは。北京語言大学に留学中の大宮千尋です。私が最近興味を持ったのは中国の妖怪や、怪談話です。このような話題ついてレポートで書くと幼稚だと思われてしまうかもしれませんが、私は妖怪や、怪談話には人々の生活、思想、文化などを伝える力があると思います。

以前私が北京で《消失的她》という映画を観に行った際、その中で一つ興味深いシーンがありました。それは登場人物の弁護士が主人公の男にある都市伝説を話すシーンです。ストーリーはある夫婦が海外旅行に行くと、突然妻が姿を消してしまい…といった内容です。なぜこの話が興味深かったのかというと、日本にいるときに同じような話を聞いたことがあり、ここでは書きませんが細部までよく似ていたからです。

情報が国境を越えて拡散される時代なので、このようなことは決して珍しいことではありません。しかし、何に対して怖い、不気味と感じるのかという、物事の捉え方、感じ方について日中で共通する部分があるからこそ同じような話が広まっているのだと思います。中国という異国の地で留学をしているとどうしても日本との違いに注目してしまいがちです。互いの違いを理解し、配慮することは重要ですが、共通する部分にも目を向け、相手に親近感を持つことも友好関係を築くために大切なことだと思います。

初回のレポートでも紹介したのですが、私は留学に来る前に中国の民話や、神話について絵本を読んで勉強していました。中国の民話や神話を見ていると、特殊な能力を持った神や怪物がよく登場します。それらにはすべて名前や特徴があり、中国の文化と深い関りがあります。例えば、一説によると春節に爆竹を鳴らすのは、年という怪物を追い払うためだといわれています。また中国語には大喰らいという意味の老饕(lao3tao1)という単語がありますが、これは中国の神話に登場する饕餮(tao1tie4)という怪物に由来しているそうです。

子不语怪力乱神(孔子は鬼や神などについては語らない)とは言いますが、中国の妖怪や怪談話に注目してみると、日本との思いもよらない共通点がみつかるかもしれません。また、妖怪や怪談話を起点として中国の文化、習慣への理解を深めることができるかもしれません。

今後も妖怪や、怪談話を題材とした作品を沢山見て、楽しみながら、中国語、中国文化を学んでいきたいと思います。皆さんも興味があったら是非見てみてください。