「中国で流行っていること、自分の関心のあること」間中 千裕(復旦大学)

いま中国で流行っていること、といえばやはりまずは”CityWalk”でしょうか。CityWalkの定義や散歩との区別には諸説あるようですが、基本的には観光よりも気を張ることなく街を気楽に散策してその都市を楽しむ行動、といった文脈で使われていることが多いように思います。私自身もよく人気のある武康路~安福路付近を散策しているのですが、毎度たくさんの若者たちがCityWalkに訪れているのを見かけます。

上海におけるCitWwalkの鉄板・武康路。人気の武康大楼前は常に多くの人で溢れかえっています。

旅行形態に関していえば、同じく短時間・少額で効率よくより多くの観光地を訪れることを目指す “特殊兵式旅行”というスタイルも若者を中心に少し前から流行しています。私自身あまり交通や住環境に便を求めない傾向にあるため、旅行に行く際は高铁ではなく火车を使う、旅程を休日に収めるため夜・早朝の間に移動するなどこれに近い旅行形式を好んでいるのですが、授業でこの話題が出たとき“特殊兵式旅行”に賛同する留学生が一人もいなかったのが印象的でした。確かに体力的に消耗するところは大きいのですが、火车の一番安価な“硬座”の車両では高铁や飛行機ではなかなか見ることのできない熱気や日常の疲労感を体感できるため、今後も火车での長距離旅行は活用していきたいと思っています。

他にも旅行やCityWalkに欠かせない写真撮影の道具として、CCD(コンデジ)も流行しています。ライブハウスにいった際にも、スマホで撮影する人たちに交じってCCDを使用している人をチラホラと見かけました。他のカメラと違いコンパクトで圧倒的に持ち運びやすく日常の記録に適していること、あまり画素数が高くないために味わいのある写真が撮れることが起因し、いまだに根強い“复古(レトロ)”志向の風潮に歓迎されているのでしょう。オンラインではタオバオやフリマアプリの闲鱼などで購入することができるのですが、人気のある日本ブランドのカメラは特に偽物が多く、流行によって価格も高騰しているため、購入前に販売者と入念にやりとりをする必要があります。

また最近の個人的な関心については、バドミントンと映画鑑賞、弄堂巡りがあります。

まずバドミントンですが、私は新入生歓迎期を逃してサークルには入り損ねてしまったため、定期的に体育館を予約し、自分で友人を集めて活動しています。大学内には近隣のキャンパスも含めるとそれなりに多くのバトミントン場があるのですが、どこも予約を取るのはかなり難しく、朝7時の予約可能枠解放時間には熾烈な場所取り合戦が繰り広げられます。校内でも校外でもバドミントンのラケットを持っている人を見かけることが多く(ケースではなくリュックに直接指している方が多い)、比較的流行しているスポーツでもあるのではないかと感じています。

放課後、宿舎付近の体育館にて。

映画鑑賞に関して、大学内ではほぼ毎週3~4個の上映イベントが各団体によって開催されています。私は敬愛するエドワード・ヤン監督特集をきっかけに映画鑑賞活動を知ったのですが、好きな映画を中国語のみで再度観る・はじめてみる映画を英語音声中国語字幕で観る、といったように、国内の映画館で観たり自分の部屋で配信作品を鑑賞したりするのとはまた違った新鮮さがあり、時間が合うときはなるべく参加するようにしています。そして鑑賞後には大抵自由討論の時間が設けられているため、中国の学生達の考えを聞けるのも面白く感じる点の一つです。

映画館にはまだ比較的小さめの場所にしか行ったことがないのですが、日本との違いとしてはエンドロール中に電気がつき、すぐに清掃が入る点くらいでしょうか。チケットは映画館や座席によって差がありますが、大体50元前後で購入できることが多く、安いところだと30元以下で観ることもできます。豪勢な食事をとりながら鑑賞できるところなどもあるようなので、今後様々な映画館を経験していきたいと思っています。

最後に弄堂巡りですが、主に中国の友人からのおすすめとSNSの情報をもとに上海市内の様々な弄堂に赴き散歩をしています。私は決して建築などに明るい方ではないため、散策にあたっては《上海邬达克建筑地图》などの本を参考にしているのですが、これによって鑑賞の楽しみが増えるだけでなく、中国語の勉強にもなっています。

弄堂の独特な風格は心地よく、上海の歴史を感じることができるため、こちらも滞在中によりたくさんの弄堂を巡り理解を深めていきたいと思います。

上海に多数あるヒューデック建設の中でも、外滩源の广学大楼·・真光大楼の並びが特にお気に入りの一つです。