授業前に食堂で朝食を摂るのが日課となった。ゆで卵と温かい豆乳に、出来立てホヤホヤの肉まんや焼売、馅儿饼などをその日の気分に合わせて選ぶのが朝一番の楽しみとなっている。朝からパワフルな食堂の方々の笑顔に癒され、時には料理名を指南頂きながら、熱々の豆乳を胃に流し込む。素敵な1日が始まりそうな予感に胸躍る瞬間だ。
油腻な(脂っこい)料理が多い昼食・夕食とは異なり、朝食は蒸し料理が多い。昼食に蒸し料理を食べたのは、友人らと計画を立て天津へ小旅行した時くらいだろうか。
北京の隣にあり、華北最大の貿易港を持つ天津は、かねてから日本の横浜に重なる部分が多くあると耳にしていた。実際に天津に降り立ってみると、その意味がよく分かった。経済と流通の中心地として発展し、欧米諸国や日本の租界が置かれた歴史も持つ天津。重厚な洋館や銀行が立ち並び、どこか異国情緒漂うそこは、まさに地元・横浜の風を感じられる場所だった。
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天津で最も美しいとの呼び声も高い「五大道」の一つ、重慶道の街並み
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異国情緒漂う洋館
何と言っても、天津三大名物の一つ「狗不理包子」は絶品だった。ふっかふかの饅頭を噛めば、肉汁がじゅわりと勢いよく溢れ滴り、食べ応えのあるジューシーなお肉の餡が顔を出す。友人も、「今まで中国で食べたものの中で、一番美味しい」と唸る程だった。
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老舗・狗不理総店の絶品包子
一口に「水」と言っても、国と国とを繋ぐ「海」は、潤いをもたらす交易の舞台にも、列国の利害が絡んだ戦争の舞台にも姿を変えてきた。歴史に大きく翻弄されてきた「中国の玄関口」・天津が刻む時の重みを肌で感じ、心が震えた。
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どこか横浜を感じさせる解放橋の夜景
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天津のシンボル・天津世紀鐘
早い時は朝8時から、遅い時は夕方5時まで授業が詰まっている。
平日は課題に予習に忙しい分、休日にクラスメイトと外へ出かけ、新たな食処や景色を開拓する喜びはひとしおだ。
今月も、天津や北京环球影城(Universal Studios Beijing)をはじめとし、多くの場所に足を運ぶことができた。と言いつつも、正直なところ、行きたい場所はまだまだ両手に収まりきらないほどある。
実り多き冬の足音が聞こえてきた。
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北京环球影城ならでは!張芸謀、スティーヴン・スピルバーグ監督監修のアトラクションは感動もの