今回は私の留学経験を通して、今後中国留学する人たちに向けてアドバイスを送ろうかと思います。
留学中の心づもりや、こうしたらよかったこと、体調ケアについて考えてたことなどを散漫に書いていきます。
奨学金は予定通りには支払われない可能性がある
中国政府奨学金普通進修生は月3000元の生活費が支給されます。さらに大学事情で留学生寮に住めなかった場合700元の家賃補助が支給されます。
つまり学外に部屋を借りて住んでいた私は月3700元をいただいていました。
留学生事務室がしっかりしている大学だと毎月規定の日に奨学金が振り込まれますが、そうでない大学も多いです。
西安交通大学は奨学金が月末に振り込まれる予定でしたが、規定通りに振り込まれない月もありました。振り込み日が不安定だとお金の管理がとても大変でした。
留学初期は、本当にお金がなくて1日食費が15元(約300円)という生活も一時期はしていました。
残高が少なくなるたびに不安に襲われ精神衛生上とても悪かったです。なので奨学金が予定通りに振り込まれないと考えてお金の準備をしておくことがいいでしょう。
日本から人民元を多めに持っていっておく
私は留学前に日本で約20万円ほどを人民元に両替して中国に行きました。しかし今は40万円くらい持っていくべきだったと後悔しています。
なぜならば大学の留学生寮に入れずに外で部屋を借りる必要が出た場合、入居時に大金を一括で支払う必要があるからです。
中国政府奨学金生は2人部屋なら無料で住めると募集要項では記載されていますが、管理がいい加減な大学に行くと部屋が用意されていないことがあります。私の大学がそうでした。
私の場合は急いで部屋探しをして月1900元(約38000円)の部屋が見つかりましたが、半年分の家賃+仲介料+敷金を契約時に支払う必要があり、日本から持ってきたお金では全然足りませんでした。
急いで銀行へ行き私のクレジットカードの海外キャッシングで上限いっぱいまで引き出して、なんとか大家さんに払うお金は準備できましたが、私の手元に残ったお金は600元(約12000円)だけでした。
生活用品購入代や体格検査代などを考えると、奨学金が支給されるまでの1ヶ月を600元でやりくりすることは不可能です。
大学事情で留学生寮に住めなかった場合700元の家賃補助が支給されますが、いま手元にお金がない問題は解消されません。
海外キャッシングもすでに上限いっぱいまで使ってしまったので日本からお金を引き出すことも不可能になり、絶体絶命の大ピンチに陥りました。
結局この件は以前勤めていた会社でお世話になった中国出身の役員さんにお金を借りて解決しました。
借金をしてしまうことに情けなさを覚えながら、このお金のおかげで経済危機を乗り越えることができたので感謝の気持ちでいっぱいです。
つまり不測の事態が起こり大きな出費が発生する場合があるので、お金は多めに持っていきましょう。
留学保険の歯科治療プランは入っておくべきだったかも…
留学保険は必ず入りましょうというお話は過去のレポートで何度かお話ししましたが、留学保険のスタンダードプランでは歯科治療は保障対象外です。
歯科治療対応プランになると+2〜3万円支払うお金が増えます。私はここ数年虫歯はできていないし、ケアを十分にすれば問題ないかと考えて歯科治療プランには入りませんでした。
しかし留学して1週間が経ったころ、歯にフロスを通しているとなんと歯が欠けてしまいました。私は非常に焦りましたが当時はお金に余裕がなかったため100%自費で歯医者に行くことが怖く、歯が欠けてない側の歯で噛めば問題ないかと考え欠けた歯の治療を1年間放置してしまいました。
結果、帰国後に歯の検診をすると、欠けた歯を中心に虫歯3つ&歯周病になっていました。留学中は毎日3回歯を磨いて、夜はフロス、舌ブラシと舌専用歯磨きジェルを使ったした掃除、マウスウォッシュを用いて20分くらいかけて歯磨きをしていたのに、虫歯3つと歯周病になっていてかなりショックでした。
結局治療費に2万円以上かかりました。それならば留学保険で+数万円のお金を払って留学中や一時帰国中にも歯科治療ができるようにすればよかったなと思いました。
ホームシックになる
中国に渡航する1週間ほど前から日本を離れるのが急に嫌になりました。いわゆるホームシックです。
部屋の片付けと荷造りをしながら不安で心がいっぱいになって泣いていました。空港で大泣きしながら母とお別れして、行きの飛行機でもずっと泣いていました。
到着してからは手続きとトラブルに追われて泣くことは耐えていました。しかしやっとの思いで入居できた部屋の片付けの最中に、備え付けの洗濯機を回すと、洗濯機から漏水して床が水浸しになりました。
そのときプツンと緊張の糸が切れて、部屋の掃除を手伝ってくれていた4歳年下の日本人留学生の前で辛いと泣いてしまいました。
24歳で社会人経験もある女が、年下大学生の前で泣いてもはや尊厳はありませんでした。その後、日本にいる友人に電話して泣いて、母に電話をかけて泣きました。
恋焦がれるほど行きたかった中国にいるのに、仕事辞めてまで留学準備をしたのに、いまは日本に帰りたくて帰りたくてたまりません。まさか自分がホームシックを発症するとは思いませんでした。
一時期は本当に帰国を検討したことがありました。しかし今帰国してしまうとせっかく取得した留学ビザが無駄になってしまいます。
居留許可証がもらえると有効期限内は自由に出入国ができるようになるので、居留許可手続きが完了する1ヶ月間は頑張って中国にいようと考えました。
結局1ヶ月後にはホームシックは治っており、冬休みになるまで日本に帰国しませんでした。
ホームシックが治ってからも毎晩母親と電話していましたし、わざわざ上海に行って日本食を食べに行ったこともありました。
この話を公表するのは恥ずかしいことですが、いま留学をしていてホームシックで辛い思いをしている学生が少しでも励みになってくれたらいいなと思います。そして私のホームシックを乗り越えさせてくれた西安にいる友人たち、日本にいる家族や友人に感謝の気持ちでいっぱいです。
メンタルが一番大切。無理をしない。
身体と精神の健康は生活の土台です。ここが崩れると勉強も遊びもなにもできなくなります。
「せっかくの留学だから!」と意気込み、勉強も課外活動も友人との食事も遊びも…と予定を詰めに詰めまくると思いますが、留学中は普通に過ごすだけでも想像以上に身体に負担がかかっています。
一度体調を崩すとなかなか元には戻らず、焦りでメンタルも不調になってしまいます。私も留学中に罹患したマイコプラズマがなかなか寛解せずに2週間授業にも出れず部屋に引きこもっていたときは、メンタルまでもナイーブになってしまいました。
睡眠時間はちゃんと確保する、昼寝をする、休息日を設けるなど意識して休むことをしてください。そして栄養バランスに気をつけた食事を心がけてください。
あくまでも留学は生活の延長線上です。異国に住んでいても毎日が特別な日ではありません。昼まで寝て、ベッドの上でスマホをいじるだけの日があってもなにも問題はないのです。
留学をしたからって性格は変わらない
よくこういう言葉を耳にします。「留学中は授業に出てるより、外で遊んで語学を身につけた方がいいよ〜」実際これを実践して中国語が上手くなった人を何人も知っているので、この言葉は正しいと思っていますが、内向的な私はそれができませんでした。
しかしよくよく考えればそれは当たり前のことでした。なぜならば日本にいるときでさえ私は他人に用もなく話しかけることはできませんし、バーやクラブに行くような人間ではなかったからです。
そんな自分の性格を無視して無理やり人が多いところに行っても心から楽しめることなくしんどくなるだけでした。
韓国人は毎晩のようにバーでお酒を飲みまくっていましたし、陽気なカザフスタンの留学生は頻繁にナイトクラブに行って朝まで遊んで授業は出ないという昼夜逆転の生活をしていました。
でもみんな私より中国語の会話は上手でした。それでも私は馬鹿真面目に授業へ出席して中国語を習得する方が性に合っていました。(本来はこちらの方が正しいですが…)
ただし人との交流がなかったわけではなく、中国人のオタク友達と濃いオタトークをすることでHSKには出題されない語彙を増やしていきました。
つまり留学をしたからといって無理にパリピにならなくてもいいのです。自分に合ったやり方で語学を伸ばしていきましょう。
日本の良さに気づく
外国で生活をしてみて改めて日本の良さに気づくことができました。日本は安価で生魚や生卵が食べられるし、油を使わずとも出汁の効いた美味しい料理を味わえます。
トイレが綺麗だし建物がちゃんと作られているし、道路が凸凹していないし、災害時以外でめったに停電や断水が起こりません。
病院の看護師さんも優しいし、落とし物をすれば誰かが交番に届けてくれます。当たり前だと思っていた祖国での生活は世界から見たらとても恵まれていることだと実感できました。
以上、要点の掴めない文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。留学するときに是非参考にしてください。