「留学に向けて」金子 絹和子(北京電影学院)

初めに、私はこの月次レポートを自分の留学日記として作成するとともに、中国留学を考えている方々にとって情報源にもなるような有意義な内容にできればと考える。この点を重視しながら、早速【留学への思い】と【準備の過程】について述べていきたい。

留学への思い

今回、中国政府奨学金の派遣生として送り出していただけることはこの上ない喜びであり、日中友好協会の方々をはじめ、周囲の人々のサポート・応援には心の底から感謝している。自分はこんなにも多くの人に支えられて生きているのだということを改めて実感できた。また留学という挑戦を決意した自分自身にも感謝したい。派遣生として留学できることを誇りに思い、精一杯努力をしたい。

私は大学1年次にたまたま友人に誘われ中国を訪れた際、街の雰囲気や溌剌と生きる人々を見て一瞬で中国の虜になった。例えば三国志や中国のエンタメなど具体的に好きなものがある訳ではなく、私の場合は「フィーリングが合った」という抽象的な感覚でしかない。ただ、それから中国語の勉強を始めて今年でもう8年目に突入する。

社会人4年目の今、仕事を辞めて留学する決断をしたのは、仕事と勉強の両立や、常に日本語に囲まれた環境で語学を習得することの難しさに直面したのがきっかけだ。そして今回留学する北京電影学院は中国で唯一、映画を専門とする大学である。私は大学時代に映画の歴史や理論の研究をしており、再び学生になるチャンスがあればもう一度映画を学びたいと思っていた。また具体的にはまだ決めていないが、帰国後は自分の好きな中国と映画を掛け合わせて私にしか作り出せない新しいことにチャレンジしていきたい。そのために語学力向上はもちろん、現地での交流や生活を通して中国映画に関する知見も広げたいと思っている。

中国に興味を持つきっかけとなった初めての中国旅行(喀什/新疆ウイグル自治区)

そしてもう一つ、今回の留学で期待していること。それは、“強くなる”ことだ。8月中旬に友の会の懇親会に参加させていただいた際、留学の大先輩の言葉に大いに励まされた。

「成長には常に痛みを伴う。成長痛と同じで、痛みを感じてもそれは成長している証であり、辛い経験も乗り越えることで成長が待っている。」

この言葉を聞いた途端に私の留学への不安は払拭され、むしろ期待が高まった。外国での生活自体が初めてのため、挫折や失敗もたくさん経験するだろう。しかしあまり神経質になりすぎず、困難に直面してもいつでも楽しむ気持ちを忘れずに過ごしたい。

準備の過程

7月末に最終出勤を終え、留学までの1ヶ月はしばらく会えなくなる仲間とお酒を酌み交わしたり、留学に必要な買い物や役所での手続きなどを進めた。自分自身、ネット上を含め中国留学に関する情報が少なく不安があったため、このレポートが同じような方々の参考になればとても嬉しく思う。

持ち物一覧

留学前のやることリスト

とはいえ、私の留学生活はこれからスタートする。現地の生活の中でもっと準備すればよかったと感じるもの・ことがあれば、またこのレポートで報告したい。

いよいよ出発!