日本への帰国、公費留学派遣事業50周年記念講演会・同窓懇親会への参加等を経て、私の2023年度公費留学経験は一区切りついたように感じています。
それに伴う雑感は後期レポートの方に書いたので、こちらでは普通進修生として1年間
大学本科生の立場で授業を受けた身として、主に2025年秋留学を目指す方に向けて感じたことを書こうと思います。
芸術系の学部に留学したい人へ
実際にどれくらい同じ立場の人がいるかわからないのですが、芸術系の学部、特に座学を想定して中国留学を考えている方に一つ気をつけてほしいことがあります。
私は今回「中国の広告デザインにまつわる勉強がしたい」という思いで留学先を決めたのですが、授業は講義形式なのか実技があるのかについてよく下調べをしないまま手続きを進めてしまいました。
ポートフォリオの提出もなく、その後の手続きにおいても実技試験が課されなかったことから、勝手に座学中心だろうと考えていたのですが、いざ入学してみると意外と実技の授業が多くありました。
割合で言うと実技3に対して座学4(前期後期の平均)のバランスでしたが、座学の一部には最終課題に実技が課されたものもありました。
カリキュラムの詳細は別途掲載(予定)の留学報告スライドに記載しましたので、よろしければぜひそちらもご覧ください。
私がいた環境は実技を交えて学びたい人にとってはこの上ない環境だと思います。一方で理論を学ぶ前提で入学した人にとってはいきなり作品を作って見せるというのは中々なプレッシャーになります。
実際に同じ専攻の留学生の友人はこれまで美術系の専門授業を受けたことがなく、デッサンやadobeツールを用いる授業において少し苦労していました。
とはいえ事前に時間割を調べるというのは中々難しいと思います。一つ手がかりになるのは、自分が志望する専攻の入試方法が「艺考(芸考)」かどうかです。
芸考とは、日本で言う美術系学部の実技入試に相当する、学力とは別に各学部の基礎技術をはかる選抜方式です。
なお私がいた中国伝媒大学では、「芸術学部」があるのではなく、それぞれの学部の下の専攻(专业)の一部に「芸考」対象のものがあるという形でした。
おおもとの学部が芸術学部ではないからといって、「芸考」による選考でないとは限りませんので、実際に受験生の口コミ等を調べられることをお勧めします。百度等の検索エンジンも有用ですが、個人的にRED(小红书)の情報が充実している印象です。
大学ごとに状況が大きく異なる
ここまでレポートを書いたあたりで、今年度普通進修生として留学をしている友人の近況を聞いたのですが、昨年の自分の状況と全く異なることに驚きました。
最初の手続き(报到)はどの学部が対応してくれるのか、履修登録の締め切りはいつなのか、授業はいつから始まるのか……などなど。何なら所属学部ごとに対応が異なるということもあり得ます。
特に普通進修生は語学専攻の留学生と異なり、「留学生の情報を管轄している国際系の学部」と「自分が専攻する学部」のどっちつかずの立場になることがよくあります。
普通進修生という立場自体があまりメジャーなものではないため、先生側も仕組みをよく把握していないことが多いです。
少しでも気になることがあった時は、遠慮なく先生に確認してみてください。