今回のレポートを書くにあたり、わたしはこの約1年間の留学生活で何か少しでも日中友好活動ができていたのだろうかと悩みました。
正直なところ、よくある日中友好がテーマのイベントや交流会等には参加していませんし、そういった機会もあまりありませんでした。しかし、「日中友好」を難しく考えすぎなければ、中国人の友達と遊びに出かけたり、ご飯を食べたり、お互い好きなことをおしゃべりしたり…といった普段の交流が「日中友好活動」といえるのではないかと思います。
政治や歴史的背景等により、日本人と中国人の中にはお互いの国に対して悪いイメージを持つ人も少なくありません。昨年、ちょうど中国に渡航する時期に、日本の処理水放出によって日中関係が悪化しているところでした。
中国のSNSを見ていても処理水関連の投稿や日本に対する暴言のコメントばかりが目に入り、今中国に行っても大丈夫だろうかと不安だったことを覚えています。
重慶に到着し、見た目だけではわからないので中国人のフリをしようかとも思いましたが、わたしの中国語の発音等から外国人だとすぐわかってしまうので、何人かと聞かれたら開き直って堂々と日本人だと答えるようにしました。
しかし、重慶の人々の反応はわたしが想像していたものとは正反対で、日本人が重慶に来たことを歓迎してくれました。
ただわたしが運が良かっただけと思う人もいるかもしれませんが、約1年間重慶で堂々と日本人として生活してきて、中国人から友好的に接していただいた経験ばかりです。
もちろん重慶だけでなく、旅行先の中国各地域も同じで、特に仕事合間に隙を見て話しかけに来てくれる厦門のレストランの店員さんや、交通整理の警備員さんに怒られながらも車を停め、こちらが見えなくなるまで手を振ってくれた深センのタクシー運転手さんが忘れられません。
重慶に日本人が少ないからか、日本に興味がある中国人のほうから友達になりたいと言ってくれることも多く、一緒にご飯を食べにいきお互いの文化や習慣について教え合うこともよくありました。例えば日中の学生生活の違いや食事の際のマナー、時にはLGBTについての話題が出ることもありました。
その中で印象に残っているのが、「中国、特に重慶の人はみんな“随便”だよ。ご飯を食べる時にお茶碗を持って食べても、置いて食べても誰も気にしない。
男性が男性を好きでも、女性が女性を好きでも何でもいい。“随便”だから。」という重慶人の友達の言葉です。
友達は笑い話のように話していましたが、わたしはその“随便”というマインドに感銘を受けました。
交流を通して、中国人の友達からは学ぶことが多く、また、相手もわたしに対して同じように言ってくれることがあります。
友好関係を築く上で最も重要なのは、お互いリスペクトを持つことだと感じます。
そして、このマンスリーレポートも日中友好活動のひとつだと思います。重慶での留学生活については最新の情報が少なく、渡航前にわたし自身困った部分でもあったので、このレポートが少しでも誰かの役に立てばという思いで準備しました。
レポートを読んで重慶大学への留学という選択肢が増えたり、純粋に中国や重慶に行ってみたいと思っていただけたら嬉しいです。