「留学中に取り組んだ日中友好活動」細川詩織(北京師範大学)

日中友好活動と言うと、なにかイベントに参加するであるとか、自分自身で団体を立ち上げるだとか、そういったことばかりが思い浮かんだ。

私は特別大きな活動もしていないので今月は何を書こう?と長いこと頭を悩ませていたが、平たく考えれば中国人との交流も日中友好活動とも言えるのではないか、と思い、これについて書いてみようと思う。

 

私が渡航した時期はちょうど日中の政治的関係が特に不安定なタイミングで、中国人の友人と現地で再会するなり「你现在少说点日语」と言われるほどだった。

親戚たちも心配していたようで私も少なからず不安はあったが、私の生活圏内、特に若い人の間では対立を感じることもなく、むしろ耳を澄ませば日本のアニメの話が聞こえてきたり、日本のものを好んで身に着けていたりする人も数多く見かけた。

 

そして週末に日中交流会に参加するようになり、ここで日本好きの中国人とたくさん知り合った。

回を重ねるごとにどんどんと仲良くなり、主催者の方に次のテーマの相談をされることがあった。

私は良いテーマが思いつかずに、普段はどのように決めているのかと聞いてみると、日常生活の中で気付いたことをそのままテーマにしているという。

例えば、以前グループチャット内で日本人女性は男性に「可愛い」と褒められたがらない、と言うような話が上がった。

そこで日中で人の褒め方にはどんな違いがあるのか気になって、人の褒め方についてテーマにしたそうだ。

さすが毎週主催しているだけあると言うべきか、日々アンテナを張っていて感心してしまった。

 

私は、「友好」とは、お互いの文化や習慣を知り、理解し、尊重し合うことだと思う。

日常生活の中のほんの小さな疑問を、日本人と中国人が一緒になって話して、同じところや違うところを見つける。

共感しあったり、新たな発見に驚いたり。違いを否定するのではなく、違いがあることを知る。

これらが日中友好の小さな一歩になるように願っている。

 

毎週のテーマ連絡

 

帰国前最後の交流会