中国経済の中心であり、国内随一の国際都市でもある上海。
はじめて海外で生活をする留学生にもやさしく開かれたこの“魔都”は様々な側面を併せ持ち、一言では言い表しがたい魅力があります。
この一年で私が特に惹かれたのは、アート・エンタメ文化の身近さです。
有名なM50創意園をはじめ上海当代芸術博物館(PSA)、外灘源ROCKBUND、美術館やギャラリーの密集していた西岸芸術区エリア(※)など、黄浦江・蘇州河沿いの一帯には特に多くの美術館がひしめき合い、市街地でも様々なブランドが定期的に展覧会を行っています。
(※2024年6月に西岸美術館以外すべて閉鎖されてしまったようです……)
そして、様々なクリエイターズマーケットが盛んに行われているのも特徴的です。“市集”と呼ばれるこのマーケット、出展者は趣味でハンドメイドを嗜んでいる人からプロのアーティストまで多岐にわたり、活動ごとに規模も雰囲気も千差万別。
毎月どこかで何かの市集が開催されていますし、チケットが必要ないものも多いため、非常に身近な文化になっているようです。
また、毎年開催されている上海国際映画祭ではそのチケット競争の熾烈さを体験し、中国での関心度の高さを実感しました。
私は期間中二度日本映画を観に行ったのですが、どちらも大きな劇場内がしっかり埋まり、会場外にも多くの人が押し寄せとても盛り上がっていました。
さらにこうした芸術分野以外にも、上海は街並み自体が非常に個性的です。
租界の雰囲気が色濃く残された外灘や武康大路などの街並み、伝統的な中国らしさを楽しめる豫園や各地の古鎮など、中心地から気軽に行ける距離に観光地として絶大な人気を誇るスポットが盛りだくさん。
付近を練り歩くだけでもその情緒を楽しむことができます。
また、上海では多くの家で窓の外につきだした物干し竿に洗濯物を干しており、中国内の他の都市を旅行する中で気づいたのですが、これも上海ならではの光景のようです。
それ以外にも人の行き交う道路沿いで自由に干されている洗濯物たちが、上海ならではの独特な趣を醸し出しています。