「私の暮らしているまちの特徴と自慢 ~北京市朝陽区の場合~」井口智奈(中国伝媒大学)

 

私の在籍する中国伝媒大学は、北京市内の中でも東側に位置しています。

他の方のレポートでもあるように、北京は非常に見どころが多く、住んでいて飽きない街です。今回はその中でも私が住んでいる朝陽区(朝阳区)を中心に好きなところを紹介していきます。

 

朝陽区(朝阳区)とは

朝陽区は、北京市の中心部の東一帯を覆っている大きな区です。

歴史を感じられるスポットは少ないものの、反対に日本大使館を含む各国の領事館が集まる亮馬橋(亮马桥)エリアや、ハイブランドが建ち並ぶ三里屯エリアなど、ビジネスに欠かせないスポットが多く位置しています。

一方で私の学校の周辺は隣接している北京第二外国語学院を除いて数駅圏内に他の学校がありません。そのため街の様子も学生街というよりは普通の住宅街といった雰囲気で、学校外で食事できる場所や遊べる場所はあまり多くありません。
この点は、市の中心部の西一帯を占める大きな区であり、数多くの大学が立ち並ぶ海淀区とは大きく異なります。

他校の学生と遊ぶ時にやや不便は感じますが、個人的には閑静な住宅街でのんびりと過ごすことができ、結構気に入っています。

 

街の魅力① 地下鉄一号線/八道線のアクセスが良い

北京市の中心部は、基本的に故宮・天安門広場を中心として正方形に近い形の環状線が等間隔に広がり、多くの道路は東西南北規則正しい方向に伸びています。
そんな故宮と天安門広場の間を通る形で、北京の東西をまっすぐ貫く地下鉄一号線/八道線という路線があるのですが、これが私の学校の目の前を通っています。

一号線は前述の故宮&天安門はもちろん、ショッピングエリアである王府井や西単(西单)、国際的なオフィスビルが立ち並ぶ国貿(国贸)や大望路といったエリアにアクセスできる路線です。それ以外の観光地にも基本的には一度乗り換えれば到着できるため、出かけるのになかなか便利な場所だと思います。

 

また地下鉄と並行して「建国路」という道幅の大きな道路も走っており、自転車で移動するととても爽快な気持ちになります。

 

△2023年末にオープンしたばかりの「王府井喜悦」内にあるお気に入りの雑貨ショップ。

 

 

街の魅力② 現代文化・芸術に関するスポットが多い

20代をターゲットにしたストリート・カジュアルブランドが立ち並ぶ施設・THE BOXや、カフェや雑貨屋とギャラリーが混ざって軒を連ねる798美術区など、歩いて楽しくかつ最新のデザインを学べるスポットが多いのが朝陽区の自慢ポイントです。(これらの施設は少し遠く、「同じ区」というには少しおこがましい気がします……)

自分の大学の近くでおすすめしたいのが、中国油画院から今日美術館(今日美术馆)あたりまでを結ぶ、地下鉄1号線のやや南を並行して走るエリアです。

この辺りは北京市中心部からのアクセスが距離の割にやや悪く、各スポット間もタクシーや自転車、バスを駆使する必要があるのですが、その分人が多すぎず広大な空間と魅力的な作品をゆっくり味わうことができます。

 

△中国油画院は外観だけでなく内観も素敵です。複数の展示を全て無料で見ることができるのもありがたい。

 

△西店記憶(西店记忆)は、エリア内を通る貨物線とこだわりの店舗のコントラストが楽しいです

 

 

△今日美術館が位置する百子湾エリア

 

 

△朗園VINTAGE(朗园VINTAGE)内の最近行ったカフェ。朗園VINTAGEは大望路駅から近く比較的行きやすいです!

 

 

 

一方で北京らしさといえば現存する胡同や、圧倒的なスケール感の歴史的建造物がまず魅力として挙げられます。実際、私もそれらのエリアが大好きですし、もし家族や友達を連れて旅行する機会があれば真っ先に故宮や天壇公園を案内すると思います。

今回私が紹介した場所は、北京の今の暮らしを感じることができるスポットです。こうした場所に行き尽くせるのも、旅行ではなく留学で北京を訪れる醍醐味だと個人的には思います。

このレポートを読んで、「北京市の東側に留学するのも悪くないな」と思ってくれる方がいたらとても嬉しいです。

 

 

△個人的に大好きな国貿〜大望路のビルが立ち並ぶ景色。建設中のビルが未来を感じさせます。