早いもので、復旦大学での留学生活も9か月が経過しました。
住み慣れた宿舎からいつもの教室、お気に入りの図書館まで、もうすぐ留学が終わると思うと名残惜しいほどの素敵な場所が大学にはたくさんあります。
私は語学留学で復旦大学に入学したため、今回は“語学生の生活”という観点から、この大学の特徴および“推しポイント”をご紹介していきたいと思います。
留学生の多さ
まず初めに、復旦大学には語学生をはじめとした留学生がとても多く所属しています。正確な数は把握できていませんが、語学生だけで少なくとも300人を超す大所帯。クラスは10のレベルに振り分けられますが、いくつかのレベルは更に3つに分かれるほど。私の参加しているクラスには現在37人ものクラスメイトがいます。
またアジアからの留学生が非常に多く、中でも一番多いのが韓国から来た学生、その次が日本という割合になっています。
人数が多いことでもちろん授業中に指名される機会は減ってしまいますし、つい同じ国から来た人と母国語で喋ってしまいがちになるという点はデメリットにもなるでしょう。
日本人に限らず、やはりどうしても同じ国・近い地域や文化圏からきた学生たちだけで固まってしまう現象というのはよく見受けられます。そのため、少人数で授業を受けたい・なるべく日本人の少ない環境で勉強をしたいという方にはあまりおすすめできません。
ですが、人数が多いということは様々な人と交流できる機会が多いということでもあります。授業中やイベント、普段の雑談まで、多種多様な文化に気軽に触れることができる環境は私にとって刺激的で得難く、貴重な体験となりました。
また留学中はちょっとした困難に遭遇することも多く、その際に母国語で助けを求められるというのは非常に心強いものです。
復旦大学には大きな日本人団体もあるため、初めての海外生活に心細い方やまだ中国語・英語に不安がある方でも安心して過ごせるのではないかと思います。
そして私の場合、同じく社会人で学びに来ている様々な国の友人たちと親しくなり、毎日中国語で交流することができていますし、みんなでいるときは日本人のクラスメイトとも基本的に中国語で話しています。
人数が多いとはいえ先生方も気軽に質問に答えてくれますし、中国語を使う機会や他の文化圏の友人たちと交流する機会は自分の意識次第でいくらでも増やせるため、より多くの選択肢がある環境で勉強したい方にはとてもおすすめです。
豊富な施設
宿舎で生活する学生にとって、長期間生活の大半を過ごすことになる大学の設備環境は重要な問題です。特に語学生の授業は本科生や院生ほど多くないので、なおさらのこと授業以外に過ごす環境の充実具合が満足度に繋がってくるのではないでしょうか。
復旦大学は留学生の宿舎と大学のシンボル・光华楼がある邯郸校区のほかに、医学部のある枫林校区、江湾校区、张江校区と4つのキャンパスがあります。
邯郸校区には食堂に病院、カフェ、コンビニ、図書館、体育館、ジム、配達物ステーション……などなど、すべてのものが揃っており、私たち語学生が授業を受けるのもこのキャンパス。五角場という大きな商業施設の集まる一角も徒歩数分の距離に位置しており、日々多くの観光客が訪れています。
各キャンパスは校内の無料バスで繋がっているため自由に行き来することが可能ですが、中でも私が気に入っているのは江湾校区です。
江湾校区の特徴はなんといってもその快適な図書館とジムでしょう。
4階建ての図書館は様々な種類の席が多数用意されており、曜日時間問わず多くの学生が勉強をしに足を運んでいます。復旦大学の学生は真面目で勉強熱心な人が多いため、宿舎付近の食堂も勉強する人で夜遅くまで席が埋め尽くされていたりすることが少なくないのですが、この図書館は席数が多いため、混雑はしていてもほぼ必ず空席を見つけられます。
1階にある視聴覚室では毎週末映画サークルが鑑賞会を行っているため、映画好きの方や中国学生と交流したい方にもおすすめです。
そして無料で使えるジムもお気に入りポイントの一つです。
中国の料理は基本的に油が多く味付けは濃いめ、上海ではさらに甘めに作られていることも多いです。ミルクティなどのドリンクスタンド文化も日本と比べ安価に発達しています。
自炊をしない限り基本的には食堂で食事をすることになりますが、私のようにこちらの食文化がとても気に入ってしまった人にとって、健康を保つためにはやはり運動が欠かせません。
邯郸校区の北と南に1つずつ、他のキャンパスにもそれぞれ1つずつ設置されているジムはどれも無料で利用することができ、中でも江湾校区のジムはその綺麗さと設備の豊富さからとても人気があります。
初心者でも利用しやすい雰囲気で、カジュアルに運動をするのにもってこいです。ジムの裏には50m屋内プールも併設されており、学生は日中1時間8元、夜間は12元で利用することができます。
邯郸校区から江湾校区行きのバスは一番多く用意されていますし、留学生宿舎からは自転車だと20分ほどで行ける距離にあるため、最近暑くなってからは特に、授業後多くの時間を江湾校区で過ごしています。
豊富なイベント
学校主催・学生主催ともに、ほぼ毎日のように何かしらの講演会・体験会・演奏会などのイベントが催されています。
校外の研究者を招いたり、伝統工芸を無料で体験できたりと貴重な機会がたくさん用意されているので、なるべく多くのグループに入り定期的に校内カレンダーを確認することで、予約が埋まる前に情報をキャッチしていくことが重要です。
復旦の猫たち
余談にはなりますが、復旦大学は猫が多いことでも有名です。ときに“先輩”と呼ばれる校内に住む多くの猫たちにはそれぞれ名前が付けられており、WeChatのプログラム上で彼らの名前や特徴、交友関係なども参照することができます。
彼らは校内の団体によって手厚くサポートされており、病気の猫が出たときは1日で寄付金が目標額に達成するなど、多くの人に愛されています。
最近では校内の公式グッズに猫のモチーフが使われるようにもなるなど、復旦大学の猫への愛は尽きません。猫好きの方は是非留学先の候補に入れてみてはいかがでしょうか。
少し長くなりましたが、上記の4つ以外にも復旦大学にはまだまだ良いところがたくさんあります。私は語学留学でこの大学を選んでよかったと心から感じているので、もし留学先に悩んでいる方がいれば是非参考にしてもらえると嬉しいです。