「日本と中国、似ているところ、異なっているところ」間中千裕(復旦大学)

 

東京での生活と上海での日々は、基本的なところではとてもよく似ています。つい最近授業で“千城一面(どこの街も個性がなく似通ってしまう現象)”という話題を扱ったのですが、都市の発展に伴って生活の様相が似通っていくのは当たり前のことなのかもしれません。また、クラスには様々な出自のクラスメイトがいるのですが、日々お互いの文化について話し合う中で、やはり中国・韓国・日本の文化や考え方は特に似た部分が多いなと感じます。

 

そのため異なっている部分に関しては、日常の極めて些細な部分であったり、逆により深い理解を要する根底の部分にあったりして、上海での生活に馴染んでいく過程で忘れてしまったもの、まだ気づいてないことがたくさんあります。

 

その中で、最近よく感じる”違い”についてご紹介したいと思います。

 

まず、中国の方は基本的に温かい飲み物を好んで飲む傾向があります。もちろん冷たい奶茶(ミルクティーやジュースなど)も人気がありますが、食事の際に出されるお茶やお水は加熱した状態のものが一般的なようです。そのため、もしお店で冷たい水を飲みたければ“冷たいものをください”と個別でお願いする必要がありますし、それはビールなど日本では冷たいのが当たり前の飲み物でも同じです。

大学でも火车(鉄道)でも街中でも、老若男女問わず多くの方が温かいお茶を入れた水筒を持ち歩いていますし、开水(一度沸騰させたお湯)のみ提供している給水機なども見かけます。

 

また、衣服についても、中国では温かさを重視した装いを感じることがよくあります。

3~4月の上海は気温の変化が激しく、最高気温が28度にまで達する日などもあったりしたのですが、休日で外部からの来訪者も多い大学の食堂では、ほとんどの人が上着を羽織っていたり、そうでなくても長袖を着ている人が大部分を占めていました。

普段でも日本より厚手のタイツが主流であったり、日本よりも冬に厚手の帽子をかぶっている人が多かったりと、こちらで見かける装いは防寒意識が高いなと思わされることが多いように思います。

 

もちろん日焼け対策や暑さに対する慣れなど様々な要素があると思いますが、上記の二点はどちらも “身体を冷やさないこと”に対する強い意識が表れているのではないかなと私は考えています。

 

中国語では風邪を引いたときは“多喝热水(たくさんお湯を飲んでね)”と伝えるのが定番ですし、肌寒くなってきたときや薄着をしている人に対する“多穿衣服!(もっと着込んで!)”もよく耳にするフレーズです。

 

日本でも“温活”という言葉が使われることがありますが、体感として中国の“冷え”に対する感覚はもっと広く一般的に日常に根付いているようで、興味深いなと感じます。

 

 

良く使うWeChatの“多喝热水”スタンプ。

 

天気がいいときはすかさずピクニックをする太陽光が大好きなクラスメイトたち。

 

上海の太陽の使い方(洗濯物の干し方)はなかなか大胆で面白いです。

 

上海の崇明岛へ。清明节の渋滞に巻き込まれ、1時間半の道程を3時間半かけて帰ることに……。