「日本と中国、似ているところ、異なっているところ」上谷こころ(北京外国語大学)

 

【似ているところ】

日本と中国には、いくつかの共通点があります。まず、両国ともに歴史と伝統に根ざした文化が息づいています。古代からの歴史的な遺産や伝統的な行事、芸術などが両国に見られます。

例えば、日本ではお正月やお盆などの伝統的な祝祭や茶道、華道などの伝統的な芸術があります。同様に、中国でも春節や中秋節などの祝祭や中国武術、京劇などの芸術があります。これらの要素は、それぞれの国の文化や歴史を象徴する重要な要素として受け継がれています。

また、両国ともに食文化が重要であり、美味しい食べ物を楽しむことが生活の一部です。さらに、家族や地域社会への尊重や敬意、そして礼儀の重視など、文化的な価値観にも共通点があります。

 

【異なっているところ】

一方で、日本と中国には多くの違いもあります。全てではありませんが、中国人の方は集団行動を好む傾向にあると思いました。学生だけでなく、年配の方まで、友達同士で腕を組んだり肩を組んだりして、仲睦まじい様子が見受けられます。また、食事をする際も、複数人でシェアすることが一般的であり、食事を通じて人間関係を深める機会として重視されています。このような集団志向の文化は、日本の文化とは異なる一面であると感じました。

生活面でも、日本と中国には違いがあります。例えば、日本ではトイレなどの公共施設が非常に清潔で整備されています。トイレットペーパーや手洗い用具が完備されており、清潔さが保たれています。一方、中国では公共のトイレや施設の清潔さにはばらつきがあります。一部の施設では清潔さが保たれている一方で、他の場所では清掃が不十分であったり、トイレットペーパーが用意されていないこともあります。

また、日本では公共の場でのマナーや整列が重視され、行列を作る際には順番を守ることが一般的ですが、中国では行列が乱れることが少なくなく、混雑した場所では列に割り込むことがあるという違いもあります。

他にも、中国では携帯電話を使って支払いや日常生活の様々なことを行うことが一般的です。スマートフォンを使った支払いサービスやモバイルアプリケーションを活用して、レストランの支払いや公共交通機関の乗車、オンラインショッピングなどを行うことが普通です。特にAlipayやWeChat Payなどの電子決済サービスは非常に普及しており、日常生活のあらゆる場面で便利に利用されています。