「春眠暁を覚えず」木村水映(北京外国語大学)

暖かい春風と朝の微睡みが心地良い季節となってきた。時の流れは早いもので、大学では第2学期が始まり、クラス編成や担当いただく先生方など自分を取り巻く環境も大きく変化した。せわしないながらも、新たな出会いの連続の毎日は充実感で満ちている。

北京外国語大学は、留学生にとって最高の学習環境が整えられている。留学生・本科生共に各クラスには学級委員長が存在し、委員長は、教授と学生の橋渡しのような役割を務めるだけでなく、常に模範的な学習態度を示し学生を鼓舞する役割が求められる。学生が勉学に励むためのサポートが制度として組み込まれているということに驚くと共に、本科生の中でも重視されている役職だと耳にし、学生からも受け入れられ重んじられているということにも衝撃を受けた。

 

クラスメイトからの投票で思いがけず学級委員長に。修了式では表彰いただいた。

 

クラスが細かく分かれ、自分のレベルに見合った授業を受けられることも魅力の一つだ。留学生は入学して間もなく、初級からA,B,C,D,E,F,G,Hと8つのクラスに振り分けられる。クラス毎に受講できる科目や科目数が限られており、上級になるほど難易度が高くなり、科目数も増える。試験によってはクラス内の順位が発表され、大きな原動力となった。クラスメイトの学びの姿勢に刺激を受け鼓舞されたり、時に悔しさをバネにしながら予習・復習に励んだりと切磋琢磨できる環境に恵まれた。親友と毎日グラウンドで持久走をしたり公園を散歩したりしながら新出単語の復習に励んだのも、成果を強く実感できた勉強法の一つだ。

 

親友と桜の有名な玉淵潭公園でお花見。今学期のクラスは二人で共に前学期より2つ上のクラスへ「飛び級」することに。変わらず毎日楽しくアウトプットの日々を過ごしている。

 

さらに驚くべきは、「飛び級制度」の存在だった。北京外国語大学では、第1学期に受験する8つの試験全てで90点以上を獲得すると、第2学期は二つ上のクラスに進級できる。私にとってはこの制度も学習のモチベーションを保つペースメーカーのような存在となった。前学期は半数以上の試験で100点や98点を獲得し、目標としていた「飛び級」をなんとか叶え、今学期からはHSK(旧)6級合格程度を目指すクラスで学ぶこととなった。

授業はもちろん全編中国語。以前のクラス以上にハイスピードな中国語を毎日浴びるように聞いている。初めはその速さについていくことに必死だったが、少し慣れた今は、授業中も積極的に質問できるようになったり、異なる視点から語られるクラスメイトの意見に新たな気づきを得たりと一コマ一コマを学び多きものとすることができるようになった。

前学期が始まったばかりの頃、私は「クラスの中で自分の実力が一番下だ」と本気で感じていた。正直なところ、今学期も新たなクラスで同じような気持ちを抱いている。しかし、私は、「予習・復習を欠かさない」「疑問は授業中に全て解決する」「小テストや課題の準備は完璧に仕上げることを努める」など、ごくごく当たり前な積み重ねを前学期と同様に徹底することで確実に実力を伸ばしていけると信じている。楽しむことを忘れずに、限りある留学期間を有意義なものとしていきたい。

 

中国人の友人に頂いた漢服を着て、日中友好成人式へ。

 

タイムスリップしたような不思議な感覚に胸が躍る

 

留学期間も残り4ヶ月。どんな時も上を向いて、前向きに。実り多き春となりますように。