北京で過ごした春節
変わった経験というよりむしろ定番な行動ではあるが、春節は留学生の友達と共に北京市内の観光地をあちこち巡って過ごした。
2月中私は北京の学生寮でずっと過ごしていたのだが、学校内もその周辺もとにかく人が少なく、そのため「春節の北京は人が少ない」「みんな里帰りしている」というイメージを勝手に持っていた。
しかし、いざ春節1日目に出かけてみると、どこも人で溢れ、大混雑していた。
考えてみれば北京に家族旅行に来ている人やそもそも北京が地元な人もいるはずで、驚くと共に日頃寂しい街並みを見ていた身としては少しホッとした気持ちにもなった。
特に人気観光地である雍和宮は、最寄駅が封鎖され大々的な交通規制が敷かれるほどだった。
アイドルライブへの参加
10月のレポートにて、女性アイドルのアリーナライブに行ったことは既にお伝えしたが、つい最近、ライブハウスで行われたアイドルの対バンイベントにも参加してきた。
とても楽しかったし、ヲタク(観客)の熱量の高さと口にするMIX(口上)がほぼ完璧な発音の日本で発せられていることにとにかく圧倒された。それも基本的な内容だけではなく、現在日本で使われている応用的なMIXまで完璧だったので、おそらく日本のアイドル文化を隅々まで理解してリアルタイムで伝えてくれる人がいるのだと思う。
一方でアイドル側も、日本人でも歌うのが難しい早口のメロディーを使った日本語楽曲を歌いこなしていて、その努力に頭が下がる思いだった。
もう一つ、非常に驚いた出来事がある。
今回のライブで一番楽しみにしていたグループが一曲だけ日本のアイドル楽曲をカバーしてくれたのだが、その曲は私が約10年前から知っている好きなグループの曲だった。
グループの運営に日本語が話せる方がいると紹介されたのでお話を伺ってみると、その方は元々日本のライブアイドルが好きで来日し、その上その私が好きなグループのスタッフとして働いていた経歴があることが判明した。
興奮しながら原曲もライブで聴いたことがあるのだと(日本語で)伝えると「もしかしたら同じ空間で同じ曲を聞いていたかもしれませんね」と微笑まれた。
この言葉を聞いて、趣味の世界が国境を越える時には、両国の言語や文化を理解して伝えようとする、誰かの努力がその裏にあるのだと実感した。
その運営の方には深い尊敬の念が湧いたし、では私は自分が好きな中国の芸能・デザイン領域に対し現状何ができるのだろう?と考えるきっかけにもなった。
勉強のモチベーションが上がるとても良い機会に出会えたことに感謝したい。