「中国人との交流・出会い方」金子絹和子(北京電影学院)

1月9日から冬休みが始まった。北影は別名“北京放假学院”と呼ばれるくらいに休みが長く、今年は3月11日まで2ヶ月間授業がない。インターン先も春節の休みに入ったので仕事もなく、中国人の知り合いも帰省してしまったので、留学生と遊びに出かけたり、旅行したりと穏やかに暮らしている。最初は「長すぎる!何をしよう…」と思っていたが、気がつけばもう1ヶ月が過ぎてしまった。

 

今月のレポートテーマは「中国人との交流」。前学期も終わり、改めて北京での人との出会いについて振り返っていきたい。

 

中国人との出会い方

 

まずこれまでの5ヶ月でどのような出会いがあったか、下記に書き出してみる。

 

  1. ネットの言語パートナー掲示板

掲示板で出会った女性とWechatを交換し、電話でスピーキング練習をしている。たまたまお互いの好きなアイドルが一緒で共通の話題があるので一気に距離が縮まった。彼女は成都に住んでいるため頻繁に会うことは難しいが、ちょうど旅行に行く計画があるのでその際に会う約束をしている。

わざわざ成都の特産品を送ってくれた

 

 

2. 中国語の先生

以前にも書いたように前期はほとんどプライベートレッスン状態だったので、先生との距離がとても近かった。授業以外にもご飯を食べに行ったり、Wechatで頻繁に連絡を取り合ったりと、年齢も近いので友達のように仲良くしてもらっている。留学生の扱いにも慣れているので、中国文化や流行のものを丁寧に教えてくれる。私の先生は別の大学から派遣されているので学内にはいないが、もし何か事件や問題が発生してもすぐ連絡が取れる人が近くにいることは非常に心強い。

 

3. 北京在住の言語パートナーを見つける

北影に通う日本人の先輩の伝手で、言語パートナーとマッチングすることができた。週に1度遊びに出かけ、週替わりで日本語と中国語を練習している。

言語パートナーが誕生日をお祝いしてくれた

 

4. 学内で知り合う

食堂や映画館、イベントなど、中国人学生と知り合う機会はあるが、Wechatを交換したきりや一度ご飯を食べに行ったきり…という関係が多い。ほとんどの学生が作品制作に忙しく、また言語学科がある大学と違い留学生に興味を持って接してくれる人が少ないように感じる。学内で言語パートナーを見つけるとなると更に難易度が上がるので、スピード重視であれば3のように学外で探した方が早いと感じる。

 

5. 学外交流イベントへの参加

中国国際青年中心というセンターがあり、留学生向けの中国文化イベントなどを開催している。私は“小年”という旧暦の祭日に大学経由で参加し、中国人ではないが、違う大学の外国人留学生と知り合い交流の輪を広げることができた。北京には「BJSA」という北京日本人留学生団体があり日中交流イベントも開催されているそうなので、そういった接点から知り合うことも可能だろう。

 

“小年”のイベント

 

この5ヶ月でたくさんの人と巡り会うことができた。行動した分だけ出会いが待っていた。だが、もちろんその全員と深い関係になれるわけではないし、何となく距離を置きたいと思う人も現れてくる。考えてみれば、日本に26年間住んでいてもパッと思いつく友達は余裕で片手に収まるのに、留学に来て急に友達が激増するなんて無理な話だ。来たばかりの頃は中国語を話す機会を作りたい一心で友達作りに精を出していたが、今は前述した言語パートナーや先生など気の合う人と自分のペースで関係を築いていく余裕が出てきた。やはり数ではなく、一緒にいて楽しい仲間を大切にしたい。

 

5ヶ月を振り返って

 

少し前に日本人の留学生とMBTI診断の話になった。彼女は留学に来て1年半が経過したが、中国に来る前と今現在で全く診断結果が違っていたらしい(しかも今現在の結果は日本人で最も少ない割合の「指揮官」)。私も試しにやってみたところ、「以前の私だったら違った回答をしていたな」という項目が多く、この5ヶ月で気付かぬうちに大きな変化があったのだと気づいた。日本にいる時(特に社会人になってから)は自分から交流の輪を広げに行くことはほとんどなかったし、むしろ知らない人と話すことに恐怖を感じていた。だがそれを友人に話すと「全く想像できない」と言われた。この変化は中国に来てからの5ヶ月、自分なりに行動できた証かもしれない。「人って変われるもんだな」と他人事のように思ってしまった。