留学生活を振り返ると、主に以下の三つの面で大きな収穫があったと思います。
一つ目が中国語スキルの向上、二つ目は国際的視野の広がり、そして三つめは内面的な成長です。
留学開始前、私は中国語でコミュニケーションをとること、文章を書くことに苦手意識を持っていました。
しかし留学で中国語を使わざるを得ない環境に身を置いたことにより、徐々に中国語で人と話すこと、文章を書くことに慣れ、コンプレックスを解消することができました。
国際的視野の広がりという点においては、以前自分は中国に対してのみ強い関心を持っていましたが、世界中の中国語学習者が集まる北京語言大学の特殊な環境により、日中の間だけでなく、他の国々との文化交流にも意識が向くようになりました。
中でもベトナム、インド、カンボジアから来たクラスメイトと特に親しくなり、より彼らの文化や歴史について知りたいと思うようになりました。
もちろん、中国の文化、歴史、社会への関心も減退することはなく、むしろ愛が強まるばかりです。
帰国後私はすぐに中国語スキルを活かせる仕事を探し始め、中華料理店のアルバイトに採用が決まりました。
日本にいながらも中国文化を身近に感じながらお仕事ができることをとてもありがたく、幸せなことだと思います。
来店された日本人のお客様に中国文化の魅力を感じていただき、中国語話者の方がより快適にサービスを受けられるように、一生懸命お仕事に取り組みたいです。
留学の前後で中国語のスキル向上、国際的視野の広がりなどその他様々な変化がありましたが、最も大きな変化があったのは内面の成長です。
以前の自分は内向的で臆病な性格でした。失敗するのが怖くて授業内で発言することはめったになく、いつも人が集まる場所を避けて一人で行動していました。
そんなかつての自分はどこかに消え去り、今では自分とは違う価値観を持った人と交流し、新しい視点を得ること、失敗から学び成長することに大きな喜びを感じます。
このような変化をもたらした要因は主に二つあります。
一つ目は儒家思想です。私は留学中に儒家思想に興味を持ち、孔子や孟子が唱えた格言を多く学びました。
中でも和而不同という言葉に強い感銘を受けました。
これは真の人格者は協調的だが、むやみに他人に同調したりはせず、主体性と独自性を備えているという意味です。
私はこの言葉に背中を押され、自分らしさを大切にしつつ、積極的に人と関わる姿勢が身についたと思います。
二つ目はクラスメイトの存在です。
中国語に近朱者赤ということわざがあるように、人は周囲人々の影響を受けて内面や考え方が変化するものです。
幸いなことに留学中自分の周りには、明るく積極的で努力志向が強いクラスメイトが多くいました。
そんな彼らに感化され、自分もどんどん前向きになり、以前は面倒くさいと思っていた課題も面白い、楽しいと感じられるようになりました。
今後は新しいアルバイト始め、それと並行して就職活動を進める予定です。
この先も多くの困難が待っていると思いますが、苦しいときは大切な仲間との思い出や、古代中国の思想家が唱えた名言を思い出してそれを力に変えたいと思います。
また今後の日中友好のための取り組みとしては日本で生活している中国語話者の方と積極的に交流し、親交を深めたいと思います。
そして中国留学を検討している方や、留学前で不安を抱えている方の為に力になれることがあれば、積極的に協力したいと思います。