「中国留学を終えて これからの私」井口智奈(中国伝媒大学)

帰国後の所感

北京から帰ってきてすでに1ヶ月以上が経過しました。
帰ってきていた直後は違和感があった右側通行の車線や狭めの道路、現金を使えるシチュエーションの多さにはすぐに慣れ、一方で北京生活のこともまだありありと記憶に残っています。

こちらのレポートでは特に今感じている2点について、お話ししていこうと思います。

 

職場でのこと

8月下旬に職場復帰し、日中間の広告プロモーションを行う企業で再び会社員として勤めることになりました。

正直なところ私は、1年間でビジネスレベルの中国語を話せるようになったとか、中国の広告業のプロフェッショナルになったという訳ではありません。
留学の成果と言えるものがあるのか、せっかく留学という時間をくれた職場に対して何か返すことはできるのか……そんな不安な気持ちで仕事を再開しました。

いざ働いてみると、中国語で行われる会議の内容がある程度理解できる、中国語で行うチャットのレスポンス速度が早くなるなど、別人級の変化ではないにせよ確かな変化がありました。

そして最も留学したことによる変化を感じたのは、中国での生活様式について自分の言葉で語れるようになったことでした。

どんなアプリがメジャーなのか、各SNSをどんな時にどのように使うのか、日頃の買い物は主にどのようにしているのか……

これらをお客様に紹介するときに、私の主観だけで語ってはもちろんいけません。ですが、これまではデータを元にそう”らしい”で語るしかできなかったのが、実感とデータを合わせて仮説を立てながら説明できるようになったのは大きな進歩だと思っています。

 

友人との関わり

非常にありがたいことに、大学の時の友人が私が帰国するタイミングで留学報告会を開いてくれ、1年間の中国生活について友人の前でじっくり話す機会をもらいました。

それだけでも十分嬉しかったのですが、私の話を聞いた友人が「中国に行ってみたくなった」「そのうち一緒に中国旅行に行こう!」と言ってくれたことがものすごく嬉しかったです。

数週間後、その内の何人かと実際に中国語のみを話すオーナーがやっている飲食店(いわゆる「ガチ中華」)に食事に行ったのですが、中国本場さながらの味を楽しんでくれました。

私が友達に話す内容は「中国の首都に一年住んで楽しかった人」の主観でしかありません。しかしそれを聞いてくれた相手が今後中国のことを思う時の判断材料が一つ増えたのなら、私の公費留学は無駄ではなかったのかもしれないと思います。

 

報告会はミニシアターを貸し切って行われた本格仕様でした。

 

最後になりますが、私を2023年度留学生として推薦して下さった日中友好協会の皆さん、受け入れ先の中国伝媒大学の皆さん、背中を押してくれた職場の皆さん、その他関わって下さった全ての方に感謝申し上げます。