「半年の中国留学で学んだこと」松延 伶美(浙江大学)

留学に来て半年が経ち、前期の授業も終わりを迎えました。この半年間で学んだことは沢山あり、本当に留学の機会を恵んでもらえてとても感謝しています。
今回のレポートでは私がこれまで留学の中で学んだことを5つ紹介します。

1、中国語

私は半年前中国に来た時は、自分の中国語に自信がなく、また現地の方の中国語が聞き取れなかったらどうしようという不安で全然会話することができませんでした。しかし、中国語の授業で話す練習たくさん行い、また友達同士でも日常的に中国語で会話をしていると、その不安が少しずつ解消されてきました。また、クラスには中国語が私より流暢な人が多くいて、分からない中国語があれば簡単な中国語で説明してくれるので、中国語で中国語を学ぶということに慣れてきました。
最近中国語が少し伸びたなと感じたのは、虫除けスプレーの後ろの注意書きが全て読めたことです。すごく些細なことですが個人的にとても嬉しかったです。
しかし、やはり今でも分からない中国語が山のようにあるので、心が折れそうになりますが、自らの目標のために努力を続けます。

2、なんとかなる

私は今回の留学で中国に来たのが初めてでした。初の中国渡航とあって家族や友人がとても心配しており、私も一人で海外へ行くのは初めてだったので、とても緊張しすごく不安でした。しかし、人間意外とどうにかなるもので、飛行機に乗ってから空港を出るまで日本語がなくとも少しの英語と中国語を使い、特に大きな問題なく切り抜けることができました。そして、中国に到着し直ぐに日本から持ってきた香港SIMをスマホに差し込み、ネットを使えるようにした後、中国のSIMカードの契約に行きました。自分が希望する1ヶ月あたりのギガ数と、電話時間を伝えれば、多少分からないことがあっても契約することが可能です。
また、現在はスマホアプリの翻訳機能を使えば大体の意思は伝えることができるので、私は事前にインストールしておきました。
あれこれやってみて自分が伝えたいことを伝えられたら意外となんとかなるものだなと実感しました。

3、人生、新しいことをいつ始めてもいい

留学先の大学で出会った留学生は国籍、年齢が全くバラバラで、それぞれが留学における個人の目標を持っていました。
私のクラスには、一旦就職して2年ほど働き、自分の中国語力不足を感じ仕事を辞めて中国に来た人や、高校卒業後に中国の大学の本科に行くための中国語力をつけるために半年の語学留学を申し込んだ人など、様々な人がいて、大学生の時に留学するものだと思い込んでいた自分のその考えはとても視野が狭いものだと気づかされました。
そこから、人生何を始めるにも遅くはなく、また意欲があれば年齢など関係なく挑戦してもいいのなのだと感じました。

4、勇気を出して挑戦してみることの価値

留学に来て4ヶ月ほどたった頃、私はプールで泳ぎたいと急に思い立ち、近くのジムの中にプールがちょうどあったので1人でそこへ向かいました。更衣室へ行って着替えようとした所に、髪の長い中国人の女性が髪ゴムを持ってないかと話しかけて来ました。この女性が後に何度も一緒に遊びに行く仲になる友人ですが、この時はそうなるとは予想していませんでした。
私は髪ゴムを持っていなかったため、あいにく持っていないですと答えました。しかし、よく考えるとその時自分は髪を結んでいて、その髪ゴムを渡せばいいじゃないかと気づき、解いて渡そうとしました。勇気を出して「私はあなたより髪が短いからこれを使ってください。」と言ったところ、「いやいや大丈夫、自分で使いなよ。」と断られてしまいました。しかし、その後「あなた外国人?」と聞かれ、いろいろと話しているうちに仲良くなり、今では一緒にご飯を食べたり、観光地に行ったりして遊ぶ仲になりました。
私がもしあの時自分から話しかけていなかったら、今の楽しい思い出はなかったです。
本当に勇気を出して話しかけて良かったと思いました。
また、他にもある日1人で地元の方々が集まって踊る广场舞に参加してみたら、たまたま同じ日に初参加していた同じ大学の研究生の中国人の女の子と知り合ったり、寮の近くの果物屋さんのおばちゃんと、毎回果物を買う度会話していたら、一緒に山登りに行くほど仲良くなったりしました。勇気を出して行動してみると、友人が増え、それに伴って経験や思い出も多くなりました。
このことから、挑戦することの価値に気づくことができました。

果物屋さんのおばちゃんと山登り

5、「愛」を通して言語と国の枠を超えて共に考える

留学で自分の大切にしていた場所や物と離れ、かつ母国語が通じない状態で、他の国の人たちと交流して、大事なものはやはり言語や国の枠を超えた「愛」だと私は思いました。
これは、中国で生活する上で不器用ながらも中国語、英語で想いを伝えて喜んでもらえたり、私に興味を持ってくれたりする人がいてとても嬉しかったという私の経験から感じたことです。
個人的に、人が生きていて最も価値があるものは人を思いやる心だと思います。人はいつか死んでしまいますが、死ぬ時に思い出すのはきっと自分を愛してくれた人たちとその人達との思い出だと思うからです。
だから、他人を愛し、違う立場を分かり合おうとする姿勢を持った上で、問題や衝突が起きてもどれが最善の道なのかを共に考えていくことこそが、自身を含めた世界中の多くの人を幸せにするのだと思っています。これは留学を通して得た一番大きな価値観のひとつと言えます。

以上5つが私が半年の留学で学んだ主要なことです。しかし、ここに書きれない経験や感情が他にも数え切れないほどあります。これからの半年は、これまでの半年の経験を通して学んだことを活かしながら、さらに新しいことに挑戦して、多くの価値観を知り、国際的に人の役に立てるように自分を高めていきます。

多国籍の留学生たちと火鍋会