「留学する前のイメージと実際に留学してみて気づいたこと、新たな発見」黒田稔子(北京語言大学)

私が北京にきて驚いたことが二つある。

一つ目は、想像していたよりも、所得格差や治安の悪さが見られないということだ。私は大学で中国語を専門的に学んでおり、中国の文化や政治情勢を学ぶ授業もある。その中で、中国では激しい貧富格差があると習った。また、留学する前に大学の先生とお話しする機会があり、「北京は街中を見てるだけで、色々な人がいることがわかる。お金持ちの人もいれば、出稼ぎの人もいる。街を見るだけで中国の現状を知ることができるからしっかりと見ておいで。」とアドバイスをいただいた。治安の悪さで言えば、前に中国に留学にいった先輩から、ズボンの後ろポケットに携帯を一瞬入れただけで盗まれると教えてもらった。

2ヵ月ほど自由に外出できる期間があった。週末のほとんどは外出していたが、あからさまに所得が低そうな人は見受けられなかった。また、出かけた際に携帯電話を置き忘れを2回も行ってしまったが、2回とも盗まれることはなかった。1回目の時は、置き忘れたお店のお客さんが親切にも届けにきてくださった。これは私が留学しているのが北京という大都市であり、コロナウイルスにより、出歩く人が少ない状況もあるのかもしれない。また、私の携帯電話が盗まれなかったのも、iPhoneではなく中国製の携帯電話だったからなのかもしれない。そうだとしても、中国の治安は大幅に良くなっていると思った。

中国製の携帯

二つ目はトイレ事情である。中国のトイレは汚いとYouTubeで見たことがあり、また書籍では、中国はトイレットペーパーの紙は流すのではなく、備え付けのもゴミ箱に捨てると書いてあった。そのため、私のイメージでは中国のトイレは汚く、臭いもきついのだと思っていた。しかし、日本のデパートのトイレにはかなわないが、比較的に綺麗なトイレが多い印象を受けた。また、中国のトイレの大半が和式なことにも驚いた。場所によるが大学近くのデパートやカフェのは和式であり、また大学の食堂のも全て和式だった。もちろん洋式のトイレもあるが、和式の方が多いような印象を受けた。その和式のも汚いわけでなく、新設されたような綺麗なトイレである。日本では和式のは少なくなっており、近年使い方を知らない小学生が増えてきているとニュースで見た。そのため、中国を訪れた際には新たなカルチャーショックを受けるのではないかと思う。