北京での生活のルーティン化されてきた。筆者は、朝は決まって早起きで日本ならばいつも起きてすぐに台所に行き朝ごはんを食べるが、北京ではそのまま軽く身支度をした後北京大学内で一番安い“学一食堂”に向かい、朝の空の胃を美食で満たす。美食と言っても決まって豆乳、小米粥、ゆでたまご等だが…。学生の福利厚生として、大学内の学食はやはり外のレストラン等と比較すると断然値段が安い。そのため最近は運動も兼ねて毎朝食堂に通っている。“民以食为天(民は食をもって天と成す)”という言葉が示すように、食は生活の中で最重要項目の1つである。
中国といえば何といっても料理の種類がとてつもなく豊富なことが一つの魅力だろう。何を食べるか決めるのにも慣れるまでは一苦労かもしれない。そして今、中国では“外卖(フードデリバリー)”が人々の生活と切り離せないものとなっている。外へ出向かなくとも30分程で自分が食べたいものを食べられるし、 現在地に関わらず恋人や家族に食事を手配してあげることも可能な外卖は非常に便利だ。私も隔離中の際に友人が代わりに贈ってくれたり、自分でも何度か利用しその恩恵を身に染みて感じた。しかし、完食後のゴミの多さに驚嘆した(写真3)。その後、外卖によるゴミの影響について気になり調べてみると、1日で捨てられる外卖のパッケージで世界最高峰のエベレストの高さ×330ものゴミの多さに例えられていた。外卖は便利をもたらす一方で環境問題にも負の側面として関わっていることが分かるだろう。
国の環境問題といえば、中国では2017年3月に国家発展改革委員会と住宅都市建設部が「生活ごみ分別制度実施計画」を公表し、2019年から中国の46重点都市にて「ゴミ分別」が徐々に開始された。また北京の街中を歩くと、至る所に「燃えるゴミ」と「その他のゴミ」で分別されたゴミ箱が設置されていたり、“环保(環境保全)“や”垃圾分类(ゴミ分別)“を歌う広告・プロパガンダが掲示されていたりすることに気づく。店頭で商品を購入した際にプラスチック袋が必要な場合は日本同様有料、街中を走るバイク(スクーター)は全て電動である。また新能源汽车(新エネルギー車)を示す緑色のナンバープレートの車もかなりの確率で頻繁に見かける。環境保全に対する取り組みもヨーロッパに次ぎ中国がアジアの中で先進国となり世界をリードする環境保全国となる日がすぐそこまで来ていると強く感じた。
こちらの生活に慣れてきた一方で、まだまだ現地の中国の方との関わりが少ないことが現状の課題である。来月のレポートでは中国人の友人を紹介できるように積極的に自分から様々な人に話しかけるよう行動していきたい。街中や日常生活の中で自分なりに疑問や問題点を発見する力も引き続き伸ばしていきたい。