「留学を開始して困ったこと・面白かったこと」黒田稔子(北京語言大学)

正直、留学して困ったことしかない。その中でも2つ取り上げたいと思う。

1つ目はホテルのお風呂場についてである。隔離初日、全ての手続きが終わり、へとへとになりながら、シャワーを浴びた。しかし、なぜかがシャワーの水が排水溝にうまく流れていかず、排水溝に水をシャワーで当てて見たが、やはりうまく流れなかった。ほっといても乾くだろうと思い、外に出てみると、なんと外が水浸しになっていた。私の隔離ホテルはシャワーとトイレに仕切りがあるが、同じ部屋になっていて、その部屋の扉を開けるとすぐ玄関のような敷地に繋がっている。その玄関の敷地いっぱいに水が広がっていた。こんなに疲れているのに嘘でしょと思いながら、その水浸しになった床を40分ぐらいかけて拭くことになった。2日目に排水溝の中に髪の毛が詰まっていたことが原因だと気がついた。今となっては笑い話だが、渡航初日に心が折れかけてしまいそうになった。

ホテルの写真

 

 

髪の毛が詰まっていた排水溝

 

2つ目は隔離ホテルから大学の寮まで、大学の車送り迎えについてである。

コロナウイルスの影響で、隔離ホテルから大学の隔離するための寮まで車を出してもらえることになった。その車がなぜか伝えていた時間の1時間前に隔離ホテルに到着し、運転手の方を待たせてしまうことになった。そのことに怒ってしまったのか、隔離の寮ではなく、大学の図書館の前で下ろされてしまった。そのため、同じ公費留学生の三村さんと2人で協力して自分達の隔離の寮を探すことになった。中国政府奨学金で留学している院生の方にも相談し、地図を送っていただいた。それを元に、2人とも両手にキャリーケース2つと手荷物2つを持ちながら、寮を探したがなかなか見つからなかった。最終的に北京語言大学の学生に案内してもらい、なんとか隔離の寮にたどり着くことができた。「中国では良い意味でも悪い意味でも日本みたいにきっちりしているわけではないから、何が起きても、これが中国かって思ってやり過ごすことが大切だ」と、日中友好協会の友の会で教えていただいたが、こういうことかと思った瞬間だった。しかし、嬉しいこともあった。私が両手に荷物を抱えていると、現地の学生が声をかけてくれて、キャリーバックの1つを途中まで運んでくれたり、案内してくれた現地の留学生がWI-FIの登録の仕方まで教えてくれた。留学は良いことも悪いことも起きるが、それが経験に繋がるのだと実感できた1ヶ月だった。まだ隔離中で、中国での大学生活を体験するのはこれからだが、1日1日を大切に良いことも悪いこともしっかり見つめて、あらゆる困難も乗り越えられるように成長したい。

隔離寮の部屋