「留学を開始して困ったこと、面白かったこと」足立星詩乃(浙江大学)

当初は9月21日に渡航する予定だったのですが、大学入構までに計24日間もの隔離が必要だと知り、今の自分の中国語レベルをはじめとする諸々の不安や費用面の問題から、11月まで渡航を延期することにしました。そういう意味では、私の留学はいきなり難航しているかもしれません。とは言え、日々の課題、渡航前PCR検査を受ける病院探し、海外留学保険の再検討、外国人体格検査の受け直し、そして既に渡航し隔離を始めている、または隔離を終えた方々が発信されている情報のチェックなど、やらなければならないことは存外雑多山積みで、のんびりすることは勿論、ただ目の前の学びに集中できるかといえばそうでもない現状にあります。やはり留学は少しずつ進んでいるようです。

画像①3.5班の半期分時間割
これらに加え、9月26日から選択科目「HSK五级辅导」「汉语影视欣赏」が始まりました。他に「故事阅读」など興味を引く科目もありましたが、履修選択は2科目までだったのでまたの機会になりました。また自分自身の授業はないものの、時間割自体に8:00から21:30まで(北京時間)授業枠が設定されており、中国の学びにかける時間と熱量に驚かされました…。

 

留学を開始して困ったことと言うと、今はまだ日本にいることもあり、やはり学習面、お恥ずかしながら早くも顕れた中弛みの症状に思い当たります。今学期は精读课、口语课、阅读课、听力课に、自分で好きに選んで履修できる选修课2つを加え、計6種の授業を受けることになりました。そのどれもが、レベルが高すぎて何も分からず置いてけぼり、なんてことは全くなく、どちらかと言えば今の私に丁度良いレベル・ペースなこともあり(単に先生方がやさしい中国語で話して下さっているだけかもしれませんが)、良くも悪くも、段々と初日のような緊張感が失われゆく自分を自覚しています。すぐ楽な方楽な方へと流される私にとっては、まさに自律の心が求められる毎日です。自分のサボり癖にこんなところでも苦しめられるとは思いませんでした。

画像② 口语课で陈老师に名指しで口調のリズム感を褒められたシーン

オンライン授業なので、ペアの学生との対話練習では互いの声を録音したものをグループチャットへ送り合っています。これは、その際に先生からお褒めの言葉をいただいたもので、あまりに嬉しくて思わずスクリーンショットしてしまったものです。

 

反対に面白かったことは、「声を出すこと」に対する姿勢の変化です。これは、授業中の発言や课文の音読などでの心のあり様のことです。というのも、中国語学習に限った話ではないですが、私は元々自分の意見を自由に発言するということに対して非常に消極的な質でした。間違うことや見当違いのことを言ってしまわないかが怖いからです。しかし、どの先生も「間違っていてもいいからとりあえず言ってみて」と促して下さることや、不謹慎かもしれませんが他の学生たちも私と同じところで躓いていたりすること、先生も学生もみな優しい人ばかりなこと、母語ではなく外国語であること、様々な要因が重なってか失敗を恐れず発言できるようになってきました。この積極性はオンラインでも、対面に変わっても、常に維持していたい態度です。

画像③ 精读课での授業メモの様子

授業中に取るメモ、授業後の復習時に書き加えるメモなどでいっぱいです。老师の説明を聞いて理解しながら同時に気付きを文字に起こしていく、というのは予想以上に頭も体力も使うもので90分後にはくたくたになっています。

 

画像④ 开学典礼での沈院长のお言葉

式典の内容云々というよりはむしろ、学院長をはじめ、スピーカーが全員中国語ののち英語で流暢に話していた姿に非常に驚かされたことを覚えています。どこにいようと英語から避けては通れないのだなと反省させられました(泣)。