今後留学する皆さん、留学は新たな学びを多方面から得ることができる素晴らしい機会です。この貴重な期間を通して、これから自分がどう生きていきたいのか、何を成し遂げたいのか、それをどのように実現できるのかを知るチャンスが多々あります。しかし、そのようなチャンスも自ら転がってくるわけではありません。そのため自分から殻を破って“外”に出てそのチャンスを掴んでいく必要があると思います。
まず、“外”に出るためには自分から情報を得ようとすることが第一だと思います。私が中国に入国してから3ヶ月間はコロナ政策で、あまりキャンパスの外に出ることが許されませんでした。年上のルームメイトからは毎日のように「外に出なさい!これじゃあなたは隔離してるのと同じじゃない。外に出ないならこの部屋があなたの『上海』よ!」と言われました。彼女の言葉をきっかけにSNSを活用して、どんな団体があるのか調べたり、キャンパス内のイベント情報を見たり、友達の小さな誘いについて行ったりしました。しまいには、何のコネクションもない語学学校にボランティアさせてくださいと何件か電話をかけて、回ったこともあります。学校の先生に友達を紹介してほしいと頼んだこともあります。その時期に全てがうまくいったわけではありませんが、コロナ政策が終わり、自由に外出できるようになった際にあの閉ざされていた時期に取り込んだ人脈や情報が大いに役に立ちました。
そして誘いは断らずに、人と沢山会うことです。自国で日常を過ごしていると、忙しくて新たな人間関係を築くのを避けてしまうこともあると思います。しかし、留学はゆとりある時間があるはずです。特に中国ではバイトは原則することができませんし、語学留学なら半日ほど時間が空きます。人脈が広がっていく中で、たくさんの人に「ご飯に行かない?」「イベント行かない?」など誘いを受けることがあります。そのゆとりある時間に誘いを受けるか受けないかで、留学で得られる経験の量が変わってきます。今まで私はどうすれば部屋に長くいられるのか考えてばかりいました。ですが、自分を奮い立たせて、ほぼ毎日外に出て人と会うと、自分が何が好きで、どんなことが得意なのかだんだん分かるようになったり、むしろ外に出ていた方が良いと考えるようになりました。また新しく知り合う人が多すぎて、どこまで距離を縮めて良いか分からなかったり、そもそもどんな風に話していいか分からなかったりすることもあります。そんな時はその人が大切にしているものだったり、人生の目標などを話してもらうと自分と重なる部分があるかも知れません。人、一人一人に人生のストーリーがあり、どの人も誰とも似てないことが分かります。
また、自分が行ったことのない場所に行って、現地の人と話したり、その土地の文化を学ぶことも有意義だと思います。自国に戻ってから、その土地出身の人と会った際にその経験を話し、ただ「行ったことある!そこで〜した!」という一言だけで、相手はあなたのことを忘れないでしょう。旅の記録をしっかりとるのも面白いと思います。
次に言語についていうと、やはり海外にいるからと言って格段に言語能力が上がるわけではありません。多少はその言語を使う機会が増えますが、やはり外に出て経験しなければ学んだ言語を使う機会は減ってしまいます。また、他の人に言語能力の差に圧倒され、落ち込むこともあります。失敗して恥ずかしい思いをしたり、もうやめたいと思うこともあるかもしれません。しかし覚えておかなければいけないのは、言語の道は留学して終わりではなく、生涯をかけて続いていくということです。その自分より能力が高い人も、仕事やその他の事情で一度はその勉強を離れたりするかもしれないし、挫折することもあるかもしれません。それは自分自身も同じで、その道で立ち止まることもあるでしょう。人と比べず、自分なりの言い方や単語で充分だと思います。経験したことは減りません。楽しむことを忘れないで学習を続けるのが大切だと思います。
留学で多くのことを経験すると、これまで自分の視野がどれほど狭かったことに気づきます。留学は自分で作るものです。外国に来たからといって生活が楽しくなるわけでもないし、勝手に友人ができるわけではありません。どれだけ自分から動けるかが重要だと思います。これから留学する皆さん、是非楽しんでください。応援しています。