杭州市
先ずは何といってもやはり西湖でしょう。水面にゆらゆらと揺れる夕日を認めながら湖を眺めれば、水が対岸にぶつかる音や魚の跳ねる音、鳥のさえずりが耳をかすめ、静かに心落ち着く時間が流れていきます。また、今は荷花がちょうど見頃を迎え、より一層人々の訪れを促しているように思われます。春節では豪華な花火が打ち上げられていましたし、雷峰塔、北高峰、宝石山、城隍阁…など数多くのスポットから西湖を一望できます。杭州で暮らしていると、西湖が如何に杭州の中心であるかを感じさせられる場面がよくあります。なお余談ではありますが、龙翔桥站(西湖の最寄り駅の1つ)に行けば必ず人の波にもまれたり、湖滨步行街でウィンドウショッピングを楽しんだり(花西子もここにあります)、湖沿いの広場ではダンスや麻雀に励む方々に高確率で遭遇したりと、西湖はその美しい景観のみならず人が集う場所ならではの熱気も体感できる、とても魅力に富んだスポットです。
次は「食」について、その魅力を少しでもご紹介できればと思います。杭州は南方のためお米が主食なのですが、ご飯に合う美食が沢山あります。例えば、糖醋里脊、酸辣土豆丝、香酥鸭、干锅花菜、桂花糯米藕、红烧肉、酸汤肥牛、鱼香肉丝、酸菜鱼、口水鸡…挙げたらきりがないほど本当に本当に美味しいものばかりです。杭州菜が何とも美味しすぎて、留学終了に伴いもうすぐ食べられなくなってしまうのが残念でなりません。
以上のように、自然豊かでご飯も美味しい、そして人も優しい杭州は、まさしく素敵な環境です。
紹興市(おまけ)
ここは厳密にいえば私が日常生活を送る街ではないのですが、東晋の書聖・王羲之の蘭亭、中国近代文学の巨匠・魯迅の故居、そして紹興酒(黄酒)でその名を知られています。大学寮の最寄り駅(浙大紫金港站)から3時間ほど電車に揺られると、紹興市に到着します。そして魯迅故里、黄酒博物馆などが集まる中心部から更にバスで約1時間行くと、念願の蘭亭に辿り着くことができます。書道好きにはたまらない聖地巡礼です。蘭亭にて、流觴曲水の場に実際に立ってみると、想像よりも可愛らしい小川で、当意即妙に漢詩を詠んだ彼らの頭の回転の速さを感じさせられます。また、黄酒だけでなく黄酒奶茶、黄酒棒冰、黄酒布丁など黄酒を活用した美食や、街中にあふれる王羲之・魯迅愛を楽しめる、行く価値大有りの地です。