「似ているところ、異なるところ」芳賀 明里(北京語言大学)

まず「似ているところ」を考えた時、それほど多く思いつきませんでした。同じアジアに属した隣国で、文化面でも経済的な面でも日中の関係は深く歴史があります。こんなにも距離が近いにも関わらず「異なるところ」ばかりであることに気づけたのは実際に中国で生活しているからこそですし、とても興味深いことだと思いました。

似ているところと言えば、やはり漢字です。授業で新たな単語を習う際、漢字の成り立ちや似た形の漢字も含めて先生が教えてくださいますが、例えば「さんずい」や「てへん」などの漢字の要素についての説明などは日本の小学校で習う時と全く同じです。私の総合中国語の先生は日本語も学んでらっしゃったので、日本での漢字と中国の漢字を比較して説明される時もあり面白いです。

もう一つ似ているところは、ビジネス上では遠回しな表現を使い、あまり直接的な言い方をしないところでしょうか。後期で貿易用語やビジネス会話を習う授業を取っていますが、その中では確かに直接的な表現が少なく日本と同じような感覚を感じました。

一方異なるところは、人と人との距離が近い、知らない人ともすでに知人かのように喋ることができる、そのコミュニケーション力だと思います。もちろん中にはそうでない人もいると思いますが、約7か月の留学生活の中で強く実感した点です。日本では、知らない人に突然話しかけた時少し身構えてしまい戸惑いながら話していたように思いますが、中国に来てからは知らない人に話しかけられてもそれが普通なので難なく会話を続けられるようになりました。また、友人同士で歩いている時に常に肩をくっつけて歩く、腕を組むなど、身体的距離も近いように感じます。

もう一つ異なるところは、地域によって気候、文化、言葉、食などが全く違ってくることです。中国という国はあまりにも大きく、違う地域に行くと別の国に行ったような感覚になります。冬休みに北京から広州へ旅行した時などはその違いに驚きました。旅行する時に参考にする記事や小红书などの投稿を見ても、日本でいう海外に行く時のような情報の書き方をしているのが印象的でした。日本だとここまでの違いが生まれるのは少ないですし、だからこそ中国国内の旅行は中国人にとっても面白いものになりそうだなと感じます。

最近気に入っているナツメ味のヨーグルト。日本ではあまり見かけないナツメですが、中国ではとてもポピュラーで美味しいです。こういう袋入りのヨーグルトが多いのも日本と異なる点です。

先日ついに万里の長城へ行きました。予想以上に階段1つ1つの段差が大きく、バラバラで下に落ちるんじゃないかと怖かったです。景色は最高でした。