「得たものと後悔、新しい目標」刀禰千春(北京電影学院)

中国留学の前期を終え、得たものと後悔が残っていることについて書いていきます。

まず、得たものですが、数え切れないほどあります。1つ目は、中国語の力、特に話す力を伸ばせたことです。HSKや中国語検定を受けることはできませんでしたが、クラスメイトや電話友達との中国語会話のスムーズさが格段に上がりました。これは、中国語のシャワーを浴びるような授業環境、興味深い授業内容、たくさんの課題、先生方の手厚いサポートなどによって得られたものだと思います。

2つ目は、海外で同じ志を持つ友人と出会えたことです。クラスメイトとは、中国語を学ぶ目的は違っても中国語の能力を上げたいという志は同じす。映画の大学なので、演技やダンスが好きだという共通の趣味がある友人や、私にとって興味深い経験談を聞かせてくれる友人もできました。留学に限りませんが、こういった新しい環境でできる人脈は、役に立つ・立たないという観点だけでなく、自分の世界を広げてくれるという観点で見ると、どんな人との出会いも大切だと思います。

3つ目は、必要以上に遠慮してしまう性格が改善されたことです。むしろ若干、いやかなり、厚かましくなったかもしれません…(笑)多くの方のお手を煩わせてしまうことが多くなりましたが(いろんな方が助けてくださり、どれだけ感謝してもし足りないです)、昔の自分よりは後悔の少ない選択をできるようになりました。これは、日本以外の国の人を相手にすることが増え、コミュニケーションが十分に取れない中で、なんとか理解し合おうとすることで改善されたと思います。私は小さい頃から「我慢すること・譲ることの美徳」を、辛いときでも、ずっと抱えてきてしまっていました。でも自分のために主張したいことを何度も、まだ完璧とはいえない中国語で伝えるうちに、相手も理解してくれ、折れてくれ(?)ました。あまりにも厚かましくなりたくはないけれど、人生がかかっているという気持ちで、譲らず主張できるようになり、良かったです。

後悔が残っていることは、現地に行けなかったことです。特に春節のようなイベントを経験できなかったことが悔やまれます。しかし、3月には渡航できると信じて、手続きをなんとか進めていきたいところです。春学期は秋学期よりも長期休みが散在しているため、中国を旅行できたらな、と夢が膨らみます。欲を言えば、中国の都会も、文化も、自然も、民族も全部見に行きたいです。

自分の留学期間の過ごし方にも後悔が残っています。授業の課題やテストの点に気を取られ、本当に真面目にやるべき部分がおろそかになっていました。例えば、中国語の日記は3日坊主で終わり、課題の映画を観るのが間に合わない時はネタバレを読んで済ませ、画面オフで授業を受ける際、別の授業の課題をしてしまっていました。今考えると本当にもったいないです!後期は、しっかりとやるべきことを明確に、努力したいと思います。

最後に、改めてこの留学での目標を。中国に1年間も語学留学するからには、ネイティブと間違われるレベルを目指したいところですが、あと半年では現実的じゃなさそうなので、これはきっと、一生の課題になりそうです。残り半年の留学の現実的な目標として、「台本なしで、ひとつのテーマについてその場で意見を言えるようになること」にしようと思います。授業では、よく映画の分析を口頭で発表する機会がありました。しかし、私はその場で当てられると、ひと言ふた言しか話せず、とても悔しかったです。次の学期は、新しい語彙を増やすと共に、中国語で考えて口に出す訓練をたくさん積み、クラスメイトや先生とたくさん議論したいです。