「前期を終えて」森下雅洋(北京語言大学)

前期を振り返りやはり一番印象に残っていることは、同期留学組のレポートである。彼らの多くは現役大学生であろう、たかが5歳差されど5歳差、同期達の色彩豊かに映る中国の姿とそれをその色のままに取り入れ表現している姿がとても羨ましいのである。自分は中国に対する見方、捉え方は円熟・・・を通り越し、いや飛び越しそろそろ腐敗してきている様な気がしてならない。

現代中国はここ100数年間、常に時代に即した新しい挑戦を繰り返して成長を続けているではないか。現状に満足すれば考え方は凝り固まり、成長は止まり、やがて腐敗する。現代中国を作り出した偉人の多くは日本に留学し学び、生かし確固たる根拠と未来への危機感や意志の元「今の中国」を創り上げたのである。今の自分は果たして、彼らのように出来ているのであろうか、否、自分に至っては何の根拠もない中国論が醸成され満足し、中国を評価し始めている。

3年前、大学の恩師に紹介されたこの政府奨学金、締め切りの1週間前に存在を知り応募、数年間のブランクで書き上げた魑魅魍魎な中国語のレポート、面接官にその内容を突っ込まれ、しどろもどろしたこと、そもそも面接に遅刻かけた(した)ことは今でも忘れない。HSK6級も当時なぜ7割近い点数を取れたのかいまだ不明である。

要するに自分はフワフワしているのである。論ずる中国文化、言語能力様々な事に関し、社会的、人生的経験や学術からなる根拠がまるでない。かといってありのままを分かりやすく端的に捉え、分かりやすく伝える能力もないのである。(レポートを見ると一人だけ内容が異質なのは自覚し、ご覧になる方々のためにも・・・と思うのだが、様々な発見が霞んで目に映り気に留めないか、却って極端な方面に向かいやすいので自重せざるを得ない)

この泡のような自分を何とか中国の地で足をつかせてくれている日中友好協会様と、親戚、親には足を向けて寝る事はできない。

私も同期達や中国に学びその飽くなき探求心や知識欲をもう一度復活させ、今度は根拠がある中国観を得る必要があるなと考えた。「要知道梨子的真正滋味,就得变革梨子,亲口吃一吃」であり「没有调查就没有发言权」である。もう一度、同期達のようにその新鮮な中国を口に入れ、何が問題点なのか、何を生かせるのか、どのようにすれば根拠のある、責任感ある中国観を得、関わる人々にどのように伝えていくのか。今一度考え、実践していかないといけない。

(このごろ、一番心を打った事は写真のような現代中国関連の史跡たちの観光である。感情論を抜きにして、当時のパワーを素直に感じたい。)

アンティーク赤本(豫園にて)

一大会址纪念馆

一大会址石库门

一大会址展示

一大会址入口の絵

孙中山故居

上海杨培明プロパガンダポスターコレクション艺术馆

芸術館で購入したプロパガンダポスターのポスターカードの一部1

プロパガンダポスター2