「後期レポート」小松史弥(北京大学)

昨年2月から始まった北京大学留学は、今月で終わりを迎えました。まずは、この1年間の留学プログラムを支援し、援助していただいた日中友好協会の皆様に感謝いたします。今となっては、あっという間に時間が過ぎましたが、振り返れば、3年前の2020年11月にもう一度留学することを決意したのが始まりでした。大学2年生の秋から始まった学部のプログラムによる北京大学留学。コロナの影響を直接受け、オンライン留学がスタートしました。この頃から、「この留学が終われば就活が始まる。もうすぐ社会人になるというのに、もしこの状況が続いたら、社会で活躍できる人材になれるのだろうか。」という大きな不安を抱き始め、休学の選択をしました。そして2021年3月、無事このプログラムに合格し、もう一度北京大学への留学の機会をいただきました。しかし、なおコロナは猛威をふるい続け、9月からの留学を翌年の2月から始める判断をせざるを得ませんでした。結局2022年2月になってもVISA再開のめどは立たず、2度目のオンライン留学としてスタートしました。日々の授業を真剣に受けつつも、休学したことで同級生に置いて行かれている不安に苛まれ、葛藤する日々が続きました。ありがたいことに最後の半年は現地での留学を実現させることができましたが、もし2年間オンライン留学だったらと思うと、本当に恐ろしいです。

今回の留学ではオンライン(半年)+現地(半年)を経験しましたが、どちらも自分にとって大きな成長の糧になったと評価しています。あまり意味のないと言われるオンライン留学も、言語能力は自分次第で伸ばせますし、何より環境に左右されない精神力、行動力を会得することができます。この経験がなくスムーズに留学できていたら、自分の置かれた環境下で自発的にチャンスを見つける行動力は身につけることができなかったはずです。そして現地での留学はさらに僕にとって貴重な時間でした。言語能力向上はもちろん、中国各地の文化を体験できる上、現地に住む人の考え方、日本と中国との価値観の違いなどを肌で感じることができました。たくさんの友人とも直接出会うことができ、人のつながりの大切さも改めて感じました。

そして、今回の留学で最大の目標だった「日本と中国の架け橋になる」ですが、残念ながら100%達成には到底及びませんでした。ですが今の日中間問題の根本的原因は相手を知らない・理解していないことであり、今回の留学で僕がこのレポートやsnsで中国について発信したことで、たくさんの人に中国を知るというきっかけを与えることができたのではないかと思います。

改めて、この1年間の留学を支援していただいた日中友好協会様に感謝申し上げます。この経験を今後の活動に存分に活かし、必ず社会に還元します。