「留学生活で気づいたこと」池田優美香(復旦大学)

私の留学生活は残すところ後わずかとなった。復旦大学では、年明けに期末テストがあり今学期が終わろうとしている。日本は年の瀬で、周りは年末ムード真っ最中だが、私は大晦日まで授業がある。今までの生活では、味わえなかった初めての年末を迎えようとしている。中国は、西暦ではなく旧暦で年間の祝日や行事が行われるので、私の生活は中国のカレンダーで動いているのだ。もしも、来年の1月1日が土曜日ではなかったらどうなっていたのだろう。いつも通りに授業はあるのかな、そんなことを考えていた。(恐らく元旦は休みだが)日本が祝日で休みでも、中国は普通の平日。そんな日々を今年はたくさん経験した。世界では同じ時間を過ごしているのに、それぞれ異なる日々を送っていて、自分もその中の1人なのだと感じることができた。このような些細なこともオンライン留学生にしかわからないことかもしれない。

中国のカレンダーで日々を過ごしていると,新しい発見もあった。先生や教室にいるクラスメートから、多くの年間行事を知ることができたし、また日本にはない習慣や文化を学んだ。特に印象的だったのが清明节と端午节だ。清明节は、祖先を敬う日であり、中国人は故郷に帰り、墓参りなどをし、家族と過ごす日である。一方、端午节は、その昔、人々に愛されながらも不遇の死に方をしてしまった屈原という楚の国の政治家がいた。屈原の遺体は、湖で未だに行方知らずとなっている為、この2つの日だけは「〜快乐!」と言ってはいけない。お祝い事や「〜節」と付く日は全て,「おめでとうございます」と言って良いものだと思っていた。しかし、このように教科書には載っていない日常的なことを学ぶ機会にもなった。

“オンライン授業かわいそう’’そう思われて、今まで勉強してきた人、これからオンライン授業を始める人がいると思う。しかし、私はオンラインでも学べることは必ずあると思うし、かわいそうという考えを払拭できたと思う。正直、長い間オンライン授業をしていると慣れてしまった部分もあるが、今学期は特に1日1日を実際に教室に行く感覚で受講することができた。それは毎日教えてくださる先生、同じクラスの友達のおかげだと思っている。来年は、何かしらの形で実際に中国へ行けることを願っている。