「オンライン留学の開始、その中で感じたこと」有馬万達(南京大学)

九月、遂に私の南京大学での中国留学がスタートしました。はじめに、今回の留学にあたっ て、公費留学生として中国留学を実現させていただいたこと、留学における手続きを手厚くサ ポートしていただいたこと、現地での留学ができるように尽力していただいたこと、そして現在 の厳しい状況で最大限の環境を用意していただいたことなどに対して日中友好協会の方々に深く お礼を申し上げます。

昨今の国際状況ではなかなか中国への渡航が難しく、今のところオンライ ン留学という形で授業が行われています。それまで私自身も現地留学は厳しいと感じていたので すが、実際に8 月にオンライン留学になることが正式に決定してから、今思えば少しモチベー ションが下がってしまったように思えます。しかし、いざ授業が始まってみれば当たり前のよう に全て中国語で授業が進んでいき、授業参加の積極性が求められる活発な授業でした。それまで あまりオンライン留学のイメージや実感が湧かず、留学が始まるまでいつも通りの日々を送って いたのですが、実際に授業で先生やクラスメートたちと中国語で話してみると自分が想像してい たよりも刺激的でした。クラスメートは様々な人がいて、欧米の人なのに先生以上に中国の地理 について詳しかったり、既に中国留学を経験している人もいれば、高校を卒業してすぐ留学に参 加している人もいます。そういった世界各地にいるクラスメートができるだけ無理のない時間で 授業が受けられるように授業の開始時間は早くても中国時間の14時からで、みんなのいる国の時 刻を聞くと国籍の多様性を感じられて新鮮な反面、日本だと夜遅くまで授業があるため大変な面 もあります(個人的には朝が弱いので助けられている部分の方が大きいように感じます)。国籍 も年齢も多様なクラスメートたちなのですが、みんな共通していることはこのパンデミックで苦しんでいることです。やはりみんな、現地で実際に中国での留学や生活を体験してみたいと言っ ています。しかし、オンライン環境でもそれぞれ学びを得ようとしているポジティブな雰囲気が あり、そのような良いクラスメートと一緒で良かったと思います。また南京大学の先生も親切な 先生ばかりで、このような良い環境で授業を受けられてとても恵まれていると思います。

そういったなかで、やはり留学前から学習を本格的にスタートするべきだったと思います。私は「留学中は他のことがやりにくくなるから中国語は留学が始まったら本格的に始めよう」と楽観的な考えで、夏休みは他のことに時間を使っていました。しかし、思った以上に忘れている 箇所が多く、最初の一週間はこれまでの復習で手一杯でした。そのため、次の長期休みの際は 中国語に集中しようと思います。オンライン留学は現地に行けなくて残念に思う方も多いと思いますが、悪い事ばかりではありません。自分が慣れ親しんだ環境にいながら独自のペースで学習を進められるというメリット もあります。私は急な環境の変化に敏感で、海外に行くと体調を崩しやすくなるのですが、現在は体調も万全の状態ですし、敬老の日には祖父母をお祝いすることができ、好きな時にお寿司 や味噌汁などの日本食を食べることができています。また、オンラインの良い点を活かせば中国 語の学習も現地より捗ることもあります。せっかく与えられた貴重な機会ですので、「オンラインだから」と無駄にすることなく、むしろ良い方向に向くように工夫して学習を続けたいと思っ ています。