「中国人との交流について」池田 優美香(復旦大学) 

オンライン留学の中で中国人との交流するのは難しかった。実際に同じ大学の中国人の学生と知り合う機会は無いに等しい。中国人の方と触れ合う機会は、先生方と毎日授業の中で、中国語で会話するくらいだった。大学以外で交流するにしても、コロナ禍ということもあり、外出をしてまで交流する気にもなれなかったからだ。しかし、日々の授業を通じて思わぬ出会いもあった。

私の中で最も印象に残っている中国人との交流は、助教授の大学院生との交流である。彼女は、写作の先生の助教授をしていて、いつも忙しい先生に替わって宿題の添削をしてくれた。授業では、毎回テーマに沿った題で文章を作成する。できるだけ、授業の時間内に書き終わらなければならない。書き終わった宿題は、まず先生に提出し、その後彼女が赤いペンで直したものをWeChatを通じて返却してくれる。週に一回のやり取りだったが、とても親切にしてくれたのをよく覚えている。

ある日、彼女が私に今まで書いた写作の宿題を全て送ってくれないかと言ってきた。私の文章の書き方に興味を持ってくれたようだった。もしかして研究に使うのかなと思い、快く承諾した。彼女はいつも私の書く中国語の文章を誉めてくれた。元々、文章を書くことが好きなので、文章の構成や単語の使い方など、教科書を参考にしながら課題を進めていくのが楽しかった。そして、彼女が毎回丁寧に添削してくれるので、おかげで写作の課題を辛いと思ったことはなかった。

そして先月、彼女からインタビューを受けることになった。教室にいるクラスメイトたちは、直に宿題を提出するのだが私はオンライン授業なので彼女に会うことがなかった。初めて顔を合わせてお話しすることができたのだ。インタビューの内容としては、主に中国語の学習方法について、どのように勉強しているのかや中国語の他に勉強している外国語のことなど。「中国語で文章を書くとき、まず日本語で書く?それとも、いきなり中国語で書き始める?」いざ聞かれると説明しにくい質問もあった。会話の言語はもちろん全て中国語。自分の言葉がどれだけ通じるか、頭をフル回転させ回答したのを覚えている。授業の受け応えやスピーチと違って、実際に聊天儿するということに少し緊張もした。ネイティブの方とお話してみると、自分の会話能力や「ん〜」や「え〜」などを次の言葉を出す間に言ってしまうことがわかった。やはり外国語での会話は難しいと改めて気付かされた。全ての質問が終わってから、少し雑談もした。私が今学期で留学が終わってしまうことを伝えると、また延長して残ればいい、学校に一度も来れないのは残念だ、今後機会があれば会おうと言ってくれた。このように思ってくれる人がいてくれるだけで嬉しかった。彼女とは、いつでも連絡できるので将来会える日を楽しみにしている。

彼女が添削してくれた写作の宿題の一つ。お見せするのが恥ずかしい文章だが、このような形で赤いペンで直してくれた後、補足をチャットで送ってくれた。間違った部分を自分の力で理解できるように、最低限の添削をしてくれるので文章作成の理解が深まった。