「日本での中国残留孤児関連のボランティア」有馬 万達 (南京大学)

今回は中国人との交流がテーマということで、私の近況を述べていきたいと思います。一月になってひとまず中国留学のワンセメスターが終了し、冬休みに入ったのですが、オンライン留学ということもあって、私は中国留学で先生以外に中国人の知り合いが作ることができませんでした。アプリで中国人とお互いの言語を教えあうサービスを使って交流しようと思った時もありましたが、以前英語の勉強にと同じようなアプリを使っていた時に個人的にあまり良いものと思えなかったため使ってきませんでした。そういった調子で冬休みに入るとほとんど中国と繋がりがなくなっていく実感があり、あまり良い環境ではないと思ったため知人の紹介で中国残留孤児の子孫を対象とした中国語教室にボランティアでアシスタントとして参加することにしました。その中国語教室は主に中国残留孤児(中国残留邦人)の子孫の語学支援を目的としていて、自治体の協力も得ながら、現在は中国残留孤児4世を中心に中国語を教えています。

そもそも中国残留孤児とは、太平洋戦争の際に満州に渡った日本人の子ども達が終戦後も日本に帰国できずに現地に取り残され、主に中国人の義父母に育てられた人たちのことを指します。ようやく日本に帰国してきた時には、彼らは中高年となり、ほとんどが中国で家庭を持っていたので、その家族を含めて語学・就労・教育などの面で大きなハンディキャップを抱え、現在も日本での生活に溶け込めていない方も多くいます。中国残留孤児の問題は孤児となった当事者の一世だけでなく、その子孫も様々な問題を抱えており、象徴的な例として、関東地方で一大勢力となったチャイニーズドラゴンと呼ばれる暴力団組織は、中国残留孤児二世が日本社会からの疎外感を感じ、非行に走った青少年達がきっかけとなり誕生されたと言われています。

こうした中国残留孤児に関連する諸問題は、主に彼らへの支援が足りなかったことで起こった側面が大きいと考えます。この中国語教室では日本で生まれ、日本人として育ってきた3世、4世に自らのルーツを考え、中国をより彼らに近いものにするために作られたと主催者の方がおっしゃっていました。今では申し込みが殺到して全員を受け入れられないほど好評で、週に一回、小学生から高校生まで受け入れ、大学で中国語を教えていた先生を中心に中国語だけでなく、学校の勉強や英語まで授業を行っています。私自身はオミクロン株流行によって中国語教室が一旦休みになったのでまだあまり行けていませんが、自分の都合が付くかぎり積極的に参加しようと思っています。先生や生徒の皆さんと関われることが楽しみです

最後に2022年2月1日は春節ということで、中国に関わる方達に謹んでご挨拶申し上げます。今年も良い年になりますように。